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いじめられっ子ダンジョン  作者: センチメンタルアスパラガス
2度目のダンジョンマスター
28/38

眠る魔王


メイがアバドゥンとともにダンジョンリメイクをしている間、メイを取り巻く環境は激変していた。


特にアイナは、図書館にも一緒にいたこともあり、一層であった。



○○○



私、天田 アイナは、メイちゃんのお母さんと一緒に、手術室の前の廊下にいる。



図書館の階段で血を流して倒れていたメイちゃんを見つけた私は、大人を呼び、救急車を要請してもらった。


叫び声で気づいたメイちゃんの惨事だが、その叫び声の主は分からなかった。


主を探す余裕すら無かった。


メイちゃんのお母さんに連絡を入れ、救急車に同乗し、隣町の大学病院へ向かった。



病院に着いたら、すでに着いていたメイちゃんのお母さんと合流した。


なんでメイが、と言いながら泣くお母さんを見て居た堪れなかったが、私も同じ気持ちだった。



画像の検査で、硬膜下血腫というのが見つかり、頭の手術をしなくてはいけなくなった。


愕然となり、脱力したメイちゃんのお母さんと搬入されていくメイちゃんを眺め、一緒に手術室の前で待っていた。



○○○



待っている間に、メイちゃんのお父さんも来た。


それと同じくらいに、警察の人も来た。


以前みた少年課の人だ。



図書館の監視カメラと、残されていた学習室の利用記録から、メイちゃんに複数人の生徒が危害を加えたのではないか、と言う言葉を聞いた。


階段からの転落前に、メイちゃんが廊下を走って逃げていたのが記録されているらしかったのだ。


現在、警察が調査を行なっており、分かり次第連絡すると告げ、メイちゃんのお父さんは「よろしくお願いします」と答えていた。

返事を受けた、その警官はそのまま去って行った。



またしばらくしたら、担任の先生が、校長先生と一緒に来た。


何か謝罪のようなことを言っていたけれど、メイちゃんの両親はうなだれて、あまり返事をしていなかった。


ただ、行きすぎたいじめ行為の行き着く先の可能性を先生が口に出した時は、お父さんの方は舌打ちをしていた。


「1学期のいじめを放置した結果、ですもんね、先生」と一言あっただけだ。



何度か頭を下げた後、最後に私の方をチラッと見てから、先生たちも去っていった。



○○○



手術が終わった後、メイちゃんの両親は集中治療室へ入っていき、お医者さんから説明を受けることになった。


そのタイミングで、私は兄さんが迎えに来てくれたので、分かれることになった。



「ありがとうね、天田さん」と何もしていない私に、メイちゃんの両親が頭を深々と下げたのが、頭に焼き付いて離れなかった。



帰っている最中に兄さんから「マスコミが来たよ」と言われた。


学校は対応に追われているらしい。


クラス名簿が出回ったらしく、私の家も含め、記者が訪問してきたり、出待ちをしているらしいのだ。



誰が漏らしたのかは、分からないが裏サイトまで情報が漏れているらしく、誰が書き込みをしたのか、誰が何をしたのか、という憶測が飛び交っているらしいのだ。


ネットの掲示板でも検索で上位に上がっている。



人気小学生読モの闇、みたいな見出しの記事も見つけることが出来た。


手術室の前で待っているだけの間にも、メイちゃんを取り巻く環境は大きく変わっていた。



○○○



家に帰り着く前に、家の前に数人の記者がいるのに気づいた。


前もって兄さんから「何でこんなことに。絶対に許せません」という記者が欲しがるであろうコメントで、かつ特定されにくいものを教えてもらい、それを言った後、泣いたふりをしながら家に入った。


特に追求されたりはなかった。



しばらくしてカーテンの隙間からチラッとみたが、記者たちは満足したのか、家の前にはいなかった。



○○○



家に入ってしばらくした後、連絡先を交換していた小林くんとオタクくん達とでネット上で意見の交換をした。



クラスの誰が集団でメイちゃんを階段から落として怪我をさせたかもしれないこと。


クラス名簿が出回って、マスコミが来たりしていること。


ネット上でも炎上していること。



それから


オタクくん達に、実はメイちゃんが悪夢の迷宮の主であることを告げた。



『すごい』

『リアル魔女っ娘じゃないですか』

『そんなチートスキル、欲しかったでござる』

と、好印象だったのは意外だった。



だがその一方で『魔女狩りにあったわけですな』と、推測がたった。



『であるなら、一ノ宮氏が今後やるのは徹底的な仕返しでしょうなw、倍返しなんて比じゃないでしょうが』


おそらく。私もそう思う。



『夏休み明けは、一ノ宮さんを合わせて、この5人しか教室にいないかもね』


『それはあり得ますね。ただ、そうなると更に魔女狩りが勢いを増すでしょうな。主に遺族からの』


『やめてよ、縁起でも無い』


『不謹慎でしたな、すみません』


『メイちゃんには、これ以上の負担は必要ないのに』


『僕もそう思う』


『僕も』

『僕も』

『小生も』



『でも、今はまずメイちゃんが死なないでいてくれるのを祈るよ』


『うん』



○○○



翌朝、メイちゃんのお母さんから電話があった。


手術自体は成功したが、予断は許さない状態で、更にはいつ目を覚ますかも分からない状態だと言う。


すごく暗い声だった。


みんなで、メイちゃんのお見舞いに行っても良いか、を聞き、その方がメイが目を覚ますかもしれないわね、と返事をもらった。



すぐにメールをみんなに送り、昼に病院に集合することにした。

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