5人目が揃うまで
ミカは寝てしまったようだ、ミカはお姉ちゃんに助けられるまでは神官になりたかったらしい、しかし神官に全てを奪われてお姉ちゃんに助けられたミカは神官を恨んでいたはずだ、なのに何故神官になったのだろう。
ミカは今、神官の上位にいて悪を捌いているらしい。
悪を捌く...一度だけ私の所にも来た事があった。
家族としてではなく敵として...。
でも今は家族としてこの家にいる、嬉しい戻ってきた事も覚えていてくれたことも。
そんなことを考えているとまた人がこの館に入ってくる気配がした。
玄関に行くと見覚えのある大人の女の人と自分より少し身長が小さいくらいの女の子がいた。
よく見るとレリアとルミだった、何かを探すようにキョロキョロと周りを見渡しているが、そんな事を気にせず、自分の感情に従順に思わず二人に飛びついた。
おかえり、と笑顔いっぱいで。
「おかえり!レリア、ルミ!」
「あら、チカ...?大きくなったわね」
「チカちゃん、ただいまだよ〜」
二人とも綺麗で大人っぽくなっていたが根本的な何かは変わっていないような気がした、正直ホッとした。
抱きついているとレリアが引き剥がすように押してくる、とりあえず離れる。
「チカ、お前を一人ぼっちにしてすまなかった。
帰ってきた理由は山ほどあるが...明日はお姉様のいなくなった日だからな...。」
レリアとルミの表情が少し曇る、しかしチカは、お姉ちゃんは生きていると信じてここまできたからそんな事ではへこたれない、今は目の前の幸せが大事でもあるからだ。
「チカちゃんずっと一人だったの?ルミは今日からずっとここにいるから一緒だよ〜!」
「ありがとうルミ!でも一人だけど一人じゃなかったよ!猫ちゃんと一緒に暮らしてるんだよ」
猫の話をすると途端にレリアが慌てだした、猫は嫌いだっただろうか...。
「...なにっ!?猫だと!?どこだ?!はやく連れてきてくれ!もふりたい!」
「レリアは猫好きなの?」
「ああ!お姉様の次に好きだ!」
「そっか!でも今猫ちゃんどこに行ったかわからないんだ、家広いし...」
猫の話でレリアと盛り上がっていると、ふと思い出す。
ミカに猫がこの家にいる事を言っていなかった。
「あっ...まあいっかミカは猫好きそうだし
はやくご飯作らなきゃ〜!
ルミとレリアはどこでもいいから部屋に入っててねー」
また家族が戻ってきた、偶然で揃ったのも何かあるのかもしれない。
お姉ちゃんとシフルが戻ってきたら全員揃う、ちょっぴり帰って来るのを期待していた。
だが、最悪の形で戻ってきてしまった。
自分もお姉ちゃんと同じ吸血鬼になったが一切あの時から血を飲んでいない、飲まない、そうお姉ちゃんと約束した。
血を貯めて置いておく部屋が頭によぎる、そう言えば昨日は掃除していなかった。
あの部屋は血の匂いがする、吸血鬼になり血に敏感になったのであろう鼻がその匂いを察知する。
血が飲みたい、だが自我が残りその程度で止まる、毎日掃除しておかしくなった時もあった、それからはあまり入らないようにした、その部屋が頭をよぎる。
「ちょっと行ってみようかな」




