十年の月日
ミカが少し微笑み魔法陣を空中に出現させる、その瞬間気配を察したチカが後ろに飛び体制を立て直す。
「どうして!どうしてミカは吸血鬼を殺す事にしたの...?
お姉ちゃんの事...」
チカの言葉を遮るように力強い声が寂しい館の中を響かせる。
「忘れるはずないだろ...今日は姉さんのために帰ってきただけだよ。
今日と明日は何もしない。」
ミカは...お姉ちゃんのことを忘れていなかった、呼び方は変わっているけれど、しっかりとお姉ちゃんのことを覚えてる。
そしてチカ一人だけだった家に久しぶりに人が戻った、家族が。
戻ってきたミカは今日と明日合わせて二日間はこの家にいるみたいだ。
ミカの寝ていた部屋はみんなで寝ていた部屋だった。
その部屋に居ることにした、毎日掃除していたらしく部屋はすごく綺麗だ、部屋を見回してミカは懐かしさに浸る。
「そうか、もう十年だもんな、綺麗にはしてるけど...懐かしいな」
ひとつひとつが思い出のように懐しい思い出が蘇る
「ミカ?ほんとにここでいいの?」
後ろから声が聞こえる、チカが本当にここでいいのか確認しに来たようだ。
「うん、ここでいい」
というよりかはここがよかった、みんなと遊んだのもここだったからだ。
...お姉ちゃんがよく家族全員で遊んでくれた場所でもあった。
ミカは思い出に浸り疲れた体をみんなで寝ていたベッドに横になった。
ミカは寝てしまったようだ、ミカはお姉ちゃんに助けられるまでは神官になりたかったらしい、しかし神官に全てを奪われてお姉ちゃんに助けられたミカは神官を恨んでいたはずだ、なのに何故神官になったのだろう。
ミカは今、神官の上位にいて悪を捌いているらしい。
悪を捌く...一度だけ私の所にも来た事があった。
家族としてではなく敵として...。
でも今は家族としてこの家にいる、嬉しい戻ってきた事も覚えていてくれたことも。
そんなことを考えているとまた人がこの館に入ってくる気配がした。




