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吸血鬼の考える世界  作者: ヨムネコ
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いつの日か

このまま私は戻っても良かった、だが、あえて戻らなかった。

このまま戻れば私にすがり子供達は育ってしまう。

このままでは私が子供達を甘やかし、子供達自身の能力が失われるかもしれない。

チカに館の主を任せ、チカがこれからどう生きていくか気にもなる。


子供達は充分に育った、甘いのは私なのかも知れない。


「ごめんね、みんな」


そうつぶやくと足元に魔法陣を作り、魔法を使う。


ミシアは魔法陣に新たな空間を生み出し、そこでみんなを見ながら守ることにした。



チカとレリアは一向に泣き止まない、怒りに耐えかねたシフルは大声で怒鳴った。


「うるさいから泣くなよ!

泣いたらお姉ちゃんが生き返るわけじゃないんだぞ」


「シフルは...シフルはお姉ちゃんが死んだところ見てないから...」


言い返したチカの言葉に反応し、シフルはまた怒りの感情をさらけ出して再び怒鳴った。


「見てないよ、だから!だから...死んだなんて信じない。

僕は...僕はこの家を出ていくよ。

お姉ちゃんを探す、お姉ちゃんは絶対生きてる。」


自分でもわかっているつもりだった、でもそう思いたくなかったから、だから姉ミシアの死を受け止めたくなかったから。


「ま、まってよ!この家を...お姉ちゃんの家を捨てるの?」


「捨てるとは言ってないよ、出ていくだけだ。

帰ってくる時は...お姉ちゃんを見つけてくるよ。」


その場にいる4人はシフルは帰ってこない事を悟った、それはチカの吸血鬼化した時の恐ろしさを知っているから、お姉ちゃんすらも危ないから、と言っていたから。

お姉ちゃんがこの場にいる時点で死んだ可能性は高いのに、シフルだけはお姉ちゃんは死んでいないと信じて家を出ていった。


レリアはそんなシフルを見て、自分も諦めてはいけないと思い、姉ミシアを探す事にした...もちろんシフルと同じように家を離れて...。


チカの表情はどんどん悪くなっていく、家族がいなくなり心に不安がよぎった。

自分から家族がどんどん消えて行き、最後には全員消えてしまうんじゃないか。

お姉ちゃんの事や家族の事を忘れてしまうんじゃないかと。


「行かないで...」


苦し紛れに出た言葉は聞こえないくらい小さく小さい音にかき消される程だった。


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