悪意のための救出
「ああ、私はこれで終わりね...あの子達の世界を作って天使しかいない、まさに私と子供達の楽園を作ろうと思ったのに。
吸血鬼としての治癒能力が足掻いて早く死なせてくれないんだもの...でも言いたいことは言えた。
...今だけ感謝するわ、ありがとう」
ミシアはそのまま眠りについた。
「おや?」
聞き覚えのある声が聞こえる。
「なぜ貴女が死にそうなんです?私は貴女が死なない事を望んでいたのに」
この声は...
「なぜお前がここにいる」
そこには自分を神と言う元神官のシルクだった
「どうも、貴女がこんなになるなんて思いもしませんでしたよ...まさか攻撃をわざと受けるなんてね。」
「...死んだ私に何をする気だ?」
「まだ死んでいませんよ、ただしくは死にかけ、ですがそう簡単には死なせませんよ。
私の復讐は終わってませんから。」
「...貴様何をする気だ」
「貴女を治療します、私が貴女を殺すためにね」
シルクがそう言うと傷口に手をかざす。
するとどんどん体が軽くなっていくのがわかる、本当に治しているようだ。
少しすると、傷が完全に癒えて傷口も塞がっていた。
「では、私が殺すその日まで生きていてくださいよ、何を考えているかは知りませんが...わざと攻撃を受けるような事はしないでくださいね」
「あ、ちょっと...」
礼を言おうとするが一瞬で消えてしまう。
「あの子達に心配かけちゃったわね、早く帰ろうかしらね」
傷が治り動けるようになったミシアは子供達を気にして館まで戻った。
館に戻ると玄関の扉から泣き声が聞こえてきた、チカとレリアの物のようだ。
2人の泣き声が館内全体に響いていた、泣いている理由は私の事のようだった。
お姉ちゃん、お姉ちゃん、と大声で、それに続くようにお姉様...と。
心の中が締め付けられ、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
このまま私は戻っても良かった、だが、あえて戻らなかった。
このまま戻れば私にすがり子供達は育ってしまう。
このままでは私が子供達を甘やかし、子供達自身の能力が失われるかもしれない。
チカに館の主を任せ、チカがこれからどう生きていくか気にもなる。
子供達は充分に育った、甘いのは私なのかも知れない。
「ごめんね、みんな」
そうつぶやくと足元に魔法陣を作り、魔法を使う。
ミシアは魔法陣に新たな空間を生み出し、そこでみんなを見ながら守ることにした。




