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吸血鬼の考える世界  作者: ヨムネコ
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化け物

「嫌だよ、お姉ちゃん」

にっこり笑ってミシアの首元に牙をたてゴクリとミシアの血を吸う


壊れたミシアはチカを抱きしめて後ろに倒れた、意識はあり生きている。


「チカはお姉ちゃん泣かせだね...なってほしくなかったのに...」


チカの背中から真っ赤な翼が二つ生えて目からは血が出ていた。


チカの背中から生えた真っ赤な翼はチカを取り込むように身体を覆い隠し赤い結晶のように煌めいて動く気配がない。


「チカ...やめて...」


自分のせいでチカは吸血鬼になってしまったという罪悪感に圧し潰され、疲労感にも耐えられなくなり倒れる。

目の前の真っ赤な結晶を気を失うまでの数秒間だけ見つめた。



「また来たのかと思えば...あれだけ来るなと言ったのに」


綺麗な声がノイズと共に聞こえる、この場所もかなり変わっているが雰囲気に覚えがある。

ここは真っ白だった世界、ということはもちろん声の主はミシア


「入っちゃ...いって...はずな...ど...?」


ノイズが邪魔して聞き取りづらい


「き......の?...チカ?」


聞こえない、わからない、なんて言ってるの?

どんどんノイズは増していく、ミシアの姿も見えなくなっていく赤く赤く真っ赤に世界と同化していくように。



赤い結晶にヒビが入り原型を残さず壊れていき翼はなくなった。

チカの目から出ていた血が目に馴染むように赤を吸収して真っ赤に染まる。


「これがお姉ちゃんと同じ吸血鬼?」


さっきまで倒れていたはずのレリアがこちらに向き何か呪文のようなものを唱えている。


「レリア?なんでチカに向かって...」


そう言って近づくとレリアは叫ぶ


「近づくな化け物!チカを返せ!」


その言葉はあまりにも心に響いた、〝化け物〟その言葉はチカの昔の記憶を蘇らせ心を抉る。


「チカは...化け物なんかじゃない!」


叫んだと同時にレリアが唱えた魔法がチカを襲う


この魔法にあたれば死ぬかもしれない、死ぬのは嫌だ、死んだらお姉ちゃんとの約束が守れない、避けなければ、しかし魔法はチカを直撃した。


身体が溶ける、熱い、冷たい、色んな感情が頭をよぎる。

チカは、死、という恐怖に必死に抗った。


魔法を撃ったレリアは驚愕した、かなり強い魔法を撃ったはずなのに死んでいないましてや目立った傷すらない、レリアは腰が抜けて化け物と口にした。


チカは死んでいないことに喜びを感じホッとした、次の瞬間、また化け物と聞こえた、限界まで追い込まれた精神はその一言にも耐えられなかった。


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