一生のおねがい
「アハ...貴女の血もおいしい...あの子とは違う味...貴女の全てはもう私の物」
レリアの身体が跳ねる、あつい、苦しい、でも気持ちいい。
レリアは身体をおさえ、ハァハァと辛そうに息をして悶える。
それを見て興奮したように顔をあからめてミシアはレリアの方を見て笑みをこぼす。
「最初は苦しいかもしれないけど大丈夫よ、少し経てばすぐ気持ちよくなってくるから...」
ミシアが言ったとおりだった、最初は苦しくて頭が壊れそうで呼吸がしずらかったが時間が経過するにつれて、どんどん身体が暖かくなり気持ちよくなっていった。
それの影響なのか一瞬世界が綺麗に、美しく見えた気がした。
苦しさや辛さが無くなると自分の意志とは関係なく自然と立ち上がり歩きだすとミシアの手前で止まった。
ミシアは目の前に来るのを分かっていたように微笑んでレリアの頬に両方の手を当てて語りかける。
「さあ、私に貴女の全てをちょうだい?」
返事をする間もなく全身の力が一気に抜けた、床に膝がつき倒れこむ。
「アハ...これよ...私の求めていたのはやっぱりあなた達なのよ!アハ、アハハハハハハ!」
本能が剥き出しになったミシアには抑制が無くなって荒れ狂い、更に崩壊していく。
狂気の笑い声が部屋に響く。
チカがふらふらと起き上がり狂ったミシアの前に立った
「あら?もう立てるまで回復したのね、吸血鬼の血が作用したのかしら?何よりあなたが無事でよかったわチカ」
「あなたは...お姉ちゃんなんかじゃない!お姉ちゃんは...もっと優しいもん!」
「ふふ、チカあなた面白いこと言うわね。
じゃああなたの前にいるのは誰?よく似た他人かしら?」
返す言葉がない、その通りなのだ。
実際の外見はチカの知っている〝お姉ちゃん〟そのものだからだ、でも何か違う、何かが壊れたような...そんな気がする。
「お姉ちゃん!戻ってきてよお姉ちゃん!」
チカは自分のカンを頼りに壊れたミシアに必死に呼び掛けた。
ミシアはその呼び掛けに反応した...実際には戻ったのだ、自分の命より大事な家族の声で。
「ッ!?ぅぐ!!ぁぁあ!チカ...おねがいがあるの。お姉ちゃんの一生のおねがい...お姉ちゃんを殺して」
愛するお姉ちゃんに殺してと頼まれた、もちろん嫌だ、でもやるしかない、お姉ちゃんの一生のお願いだから、でもやらない。
「嫌だよ、お姉ちゃん」
にっこり笑ってミシアの首元に牙をたてゴクリとミシアの血を吸う
壊れたミシアはチカを抱きしめて後ろに倒れた、意識はあり生きている。
「チカはお姉ちゃん泣かせだね...なってほしくなかったのに...」
チカの背中から真っ赤な翼が二つ生えて目からは血が出ていた。




