第4回 劉曄、廬江太守劉勲と会う
鄭宝の配下たち全てを劉曄は一旦受け入れ、時を置かずしてこの辺りでは一番の権勢を誇る、廬江太守の劉勲を頼ることにした。
劉曄は既に名の通った名士であり、すぐに劉勲に会うことが出来た。劉曄は今までの経緯を話し、鄭宝の配下全てを引き取って欲しい、と打診した。
劉勲が言う。
「一万強の兵を連れてこられる、とは誠の話か?」
「はい。兵を率いていた鄭宝は私の方で処断致しました。最初はならず者の集まりだと思っておりましたが、思いの外、軍紀は行き届き、それなりに精強な兵であると思います。」
「なるほど。実は最近、帝号を僭称して死んだ袁術の残党も私を頼ってやって来たばかりで、軍の規模は倍増した。そこに更に一万となると、私の方でもそう易々と受け入れる、とは言い難い。」
「左様でございますか。しかし、そうすると江東の孫策殿を頼ることになりますが・・・。」
「孫策を頼ると申すか。それはまずい。最近日の出の勢いの孫策に一万の兵が増えたとなれば、我が皖城の大きな脅威となる・・・。」
「そうならないためにも、私としては是非、劉勲様に受け入れて頂ければと思っております。」
「なるほど・・・。一つ条件を出してもよろしいか?」
「はい。お聞きしましょう。」
「劉曄殿に、我が陣営に加わって欲しい。」
「私が、こちらに。」
「ああ。劉曄殿は天下の名士。私の相談役の様な、まずは客分の様な立場でよいのだ。是非、お力をお貸し頂きたい。」
「・・・。わかりました。もともとこちらが無茶なお願いをしているところですので、私に何が出来るかわかりませんが、劉勲様にお仕え致しましょう。」
「それは、心強い。思ったことは、何でも言ってくれて構わん。是非とも、よろしく頼む。」
劉曄は、拝礼した。
こうして、劉曄は劉勲の相談役として、その側近くで仕えることになったのである。




