第15回 劉曄、山賊陳策戦について献言する
曹操は、来るべき袁紹との対決に備えて、後顧の憂いを除くべく、活発に動いていた。
その際、山賊の陳策という者が問題になった。
山賊と言っても、正確な数は不明であるが、その勢力は大きく、数万はいると言われていた。
実は以前、数が多くとも所詮は山賊ということで、曹操は軽い気持ちで討伐の兵を派遣したが、その時は何と返り討ちにあい、敗退してしまった。
陳策の本拠地としているのは廬江の郡境で、山は険しく、谷は深いという、攻めるに難い場所であった。そして、こちらから手を出さなければ、今まで陳策が派手な動きをした事はほとんど無いことから、このままにしておくのがいいのではないか、という意見が多数を占めていた。
曹操はその実力を試すために、劉曄に聞いた。
「劉曄。皆の意見は、そのままでよい、とのことだが、お前はどうだ。」
「はい。私は、この様な山賊の類をこのままにするべきではないと考えます。」
「しかし、中々地形の険しい難しい場所だが?」
「陳策が強いのは、自然の要害に閉じこもっているのが理由です。曹操様におかれましては、陳策に対して恩赦や恩賞をちらつかせ、その要害から外に出してしまえばよろしいかと。さすれば、こちらの精鋭で一網打尽にするのは容易ではないでしょうか。」
「なるほど・・・。恩赦と恩賞を使って、引っ張り出すという作戦か・・・。よかろう、劉曄の策を実行する。」
曹操は、献帝の名を使い、陳策に使者を出した。
陳策は、この使者の言うことを信じ、大挙して山から出てきた。そこを、曹操軍が速戦速攻で襲い掛かり、数万の山賊は一日にして壊滅し、陳策は捕らえられ、首を斬られた。
曹操は、これを劉曄の手柄とし、司空倉曹掾に任じたのである。




