大門・五田・天宮その6
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場所は変わり、本部から少し離れた広場。
そこでは、2つの強烈な熱気と寒気がぶつかり合っていた。
そしてそれを操り、発生させているのは、日田と万月。
「………っ!まさか……」
万月の視線が本部の方向に一瞬向き、体の動きが鈍る。
「ああ!?余所見とは余裕だな!」
「ちっ!うざったいねぇ~~」
巨大な拳の形をしたマグマが、巨大な厚い氷の盾によって防がれ、大量の水蒸気と水を発生させて消滅する。
「はぁ……、日田君~~。ちょっとこの勝負、お預けにしてもらえないかなぁ~~。うちのボスが、ちょっとヤバそう何でねぇ……」
「ダメだ!ここでお前は死ぬ!」
「ったくぅ~~。なら強行突破させてもらうよぅ~~」
万月は自分の体に氷をまとい、簡易的な鎧を完成させる。
(この鎧でも日田のマグマをまともに長時間受け止めるのは難しいぃ~~。もって5秒~~。多少の無茶が許される程度ぉ……)
万月は足の裏から薄い氷の膜を広場に張り巡らし、その上を滑り出す。
「おぃ!待ちやがれ!!っとぁ!?」
日田はそれに追い付くため走り出そうとするが、氷の地面に足を取られ、上手く踏ん張りが効かず、走ることが出来ない。
「くっそ!しゃらくせぇ!!」
日田は万月が氷の膜を張り巡らせたのと同じ要領で足にマグマを集中し、自分の足元にある氷を溶かす。
「日田ぁ~~!、しつこいぞぉ~~!」
万月は自らの体の回りに大量の「氷の槍」を作り出す。
1つ1つに1級芸術品のような紋様が入った槍達は、美しい輝きを放ちながら、日田に向かって突撃する。
「やたら綺麗な攻撃しやがって……。おらぁ!!」
日田はそれをマグマをまとった両手で次々と迎撃し、さらに突き進む。
(やっぱり相性わりぃ~~。)
万月は自分の攻撃をものともしない日田の様子を見て、今日、日田との戦闘で何度も見せ付けられた相性と言うものにうんざりしながら、少しでも日田の移動速度を下げるため、ひたすら「氷の槍」を打ち続ける。
(あと少しで本部……。止めれるか……!)
そして氷の槍を溶かしながら進む日田も、撃ち続けられる氷の槍に、確かに移動速度を下げられていた。
(このままじゃ……ヤベェ!!)
先程万月の視線は、本部の方向に向いていた。自分達のボスが、今本部にいると言っているようなものだ。
そして本部にも掃除人は何人か配置されていたが、殺された可能性が高い。
(そんな所に万月を合流させては……、まずい!!)
「……と言った表情をしてますねぇ、日田君。手伝ってあげましょう。同僚ですから」
「!?黒瀬ぇ!?いつの間に……!」
焦る日田の隣に、いつの間にか良く見慣れた黒服の男、黒瀬が並走していた。
「何だぁ……、あの男~~」
そしてその様子を、万月も確認していた。
(いつの間に現れた~~。気配もなにも感じなかったぞぉ~~)
そしてもう一度、万月は黒瀬の方をちらりと見る。
一瞬、視線が合った様な気がした。
そしてその偶然の一瞬、巡り合わせは、決してしてはいけなかった物だと、万月は次の瞬間、取り帰しようのない後悔と共に痛感した。
万月の体は、包丁で切られた人参の様に、鎧ごと胸の部分から輪切りにされていたのだ。




