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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
3・宣戦布告
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大門・五田・天宮その5

読んでいただきありがとうございます!

「はっ……、はっ……」

五田の斬撃を何とかかわしながら走り続けた大門の目の前には、既に本部からの出口があった。

(よし……!これで……)

「じゃぁぁーーい!」

「ごぶっっ!!」

大門の鳩尾に、鈍い痛みが走る。

次の瞬間、大門は後ろに吹き飛ばされ、目の前にあった出口は一気に遠退いてしまった。

(くぁっ……なんだぁ!?)

大門は痛みで未だに痺れる体を何とか起こし、この衝撃の正体を探す。

そして先程まで大門がいた場所には、どこからか現れた天宮がいた。

「くそ……、やっぱりそう簡単にはいかないか……」

「とーぜんじゃい。今が敵の大将ぶっ倒す絶好のチャンスなんじゃ。簡単に逃すわけねーじゃろ」

天宮は首の骨をならしながら、ゆっくりと大門に近付いて来る。

近付いてくる天宮も十分脅威だったがそれ以上の殺気が、大門の後ろから近付いてくる事を、大門は察知していた。

大門は無理矢理体を動かし、横に跳ぶ。

すると、シュキン。と言う甲高い音と共に、床が抉り取られた。

恐竜の爪痕の様な物を残したそれは、恐竜ほどのパワーは無いが、鋭さは遥かにその上を行っていた。

(人間吹っ飛ばしたり床抉ったり……。本当に人間か……)

どちらにしても、絶体絶命。2方向しか塞がれていないが、八方塞がり。

(ならば……近付いてくる天宮から「油絵」を奪い……。能力を発動させるしかない……)

そこからは、この策が、正しいかどうか考え、決断する暇すら与えられない。

後ろからは高速の斬撃、前からは最強の掃除人。

逃げ場はない。活路を作るしか無かった。

「おおおっ!!」

大門は再び前進する。

天宮から「油絵」を奪うため、決死の突撃。

「………っ!諦めたか、大門っっ!!」

天宮は腰を沈め、確実に大門を迎え撃つための体勢を整える。

(かわそうとはしない……。後ろに出口があるから……)

「おおっ!!」

天宮が渾身の右ストレートを放つ。

拳の軌道はとても直線的。しかし、その拳が放つ圧力は、かわそうとした者の体を引き付け、確実に叩きのめす力を秘めていた。

その拳を、大門はかわさない。

まともに受ければ死を免れない一撃を、ステージ4のギタイの強靭な体と、根性で受け止める。

ブッ……。ブツッ……。

皮膚が引きちぎられ、鼻の骨が折れる音が耳の奥で聞こえた。

「こっ……大門っっ……!!」

大門の異常な行動に天宮は目を見開き、驚きを隠せなかった。

「ざあっ!!」

大門は天宮のズボンのポケットをまさぐる。

(あったっ!!)

すると、大門の手に四角い小さな額縁のコツコツした硬い感触が触れる。

大門はそれを一気に抜き取り、天宮の右腕に顔を滑らすようにして更に前に進み、出口に到達した。

顔面を犠牲にして、何とかつかみとった1枚。

しかし、それを近くでよく見た大門に、衝撃が走る。

大門が天宮のポケットから抜き取った四角い「何か」。

それは大門の油絵では無く、四角く白い、何かの残骸。

そして油絵のダミーを仕掛けられていたと言う事に気付き、大門の体が一瞬硬直した瞬間、大門の体を、3つの斬撃が切り裂いた。

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