大門・五田・天宮その4
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崩れ落ちる廊下が、何とか大門1人の体重を支えきれる間に、息を荒くしながら大門は駆け抜ける。
(くそ……!普段は能力を使えばこんな無様な様は見せないのに……。「油絵」を盗られるとは……。なんたる失態……!)
大門はある程度体を鍛え、同年代の男性には体力では負けないと自負していたが、ここまで異常な環境で走るとなると、どうしようもないと言うことかもしれないが、もっと体力を付けておけば良かった。と後悔していた。
(……こんな修羅場で後悔する余裕があるとは……。まだ余裕だな……)
大門はそんな「後悔」のおかげで少し元気を取り戻し、少し走るスピードを上げた。
「会長……。これ以上壊し続ければ本当に「本部」が持たないですよ……。大丈夫なんですか?」
「うん……。そのわりに結構躊躇なく切ってるよね。今話してる間にも手、止めてないしのぉ……」
「まぁ、命令なので」
「そうか……、「命令」のぉ……」
そんな命令したかなぁ……?と天宮は考えつつ、今度命令を出すときにはもっと良く考えてから出そうと決め。
「まぁ、中々大門もしぶとい……。あいつ、あんな若い見た目じゃが、今年40過ぎるじゃろうに……。体力あるのぅ。このままじゃ逃げ切られる」
「……何か、余裕ですね。話している内容の割には」
「うんぬ……。五田、お主はこのまま廊下を切り続けて大門にプレッシャーを与えてくれ。どうやら大門はご丁寧にも玄関からキッチリ「退出」しようとしているようじゃ……。儂は全速力で別の道で玄関に回り込む。」
「了解しました。お気をつけて」
シンプルな策。しかし、効果はあるだろう。鬼ごっこなら、2対1で逃げる者を挟み込めば、走力の差があまりない場合、かなりの確実で逃げる者を捕まえられるだろう。
そう思い、五田は天宮に向かって短く言うと、さらに床を切るスピードを上げ、大門を追いかけていった。
その様子を脇道にそれ、少し後ろから見ていた天宮は、
「……全く、いい部下を持ったもんじゃな……。かかっ!」
そう満足そうに笑うと、こちらも先程までの数倍のスピードで、廊下を駆け出した。




