大門・五田・天宮その3
読んでいただきありがとうございます!
天宮は手に持った油絵独特の感触を感じながら、直前に日田から聞いていた話を思い出していた。
「会長。大門の能力の発動条件にはおそらく……、自分の身体の近くに絵……。「油絵」を持っていなければいけないと言う物がある、と思う。どのくらい近くに無いといけないかは詳しくわからないがな」
(とりあえずこれで……、大門の能力は封じられた分けか……?)
天宮は大門から一定の距離を保ちながら、油絵を懐に入れる。
「……五田、仕掛けるぞ」
「はっ」
天宮の声と共に、五田は大門へと飛び出す。
「ちっ!」
大門は五田の刃をかわしながら、出口へと向かう。
(屈辱だが……、「油絵」を捕られた今、私の能力は発動しない。一旦ここから退却を……)
「させねーよ、小わっぱが」
「だろうなっ!」
大門の横に一瞬で迫ったいた天宮の高速の打撃を、大門は体をひねってかわす。
(天宮の攻撃は一撃でも喰らえば体力を一気に持っていかれる……。かわすのが得策っ!)
「……だが……、容易じゃないよね」
人間のそれを遥かに上回るギタイの身体能力、反射神経を持ってしても、天宮の拳は大門の体ににじり寄ってくる。
「ざっ!」
大門は天宮の拳をかわしながら何とか会長室から脱出し、来た道を戻っていく。
「逃がさん!!」
「!!」
廊下を走る大門の足元がグラリと大きく揺れた。
大門が見ると、廊下の床に無数の大きな切り込みが入り、崩れ落ち初めていた。
(おいおい……。ここは掃除人の本拠地だろ……。掃除人が壊してどうする)
大門は半分呆れながらも、五田のその躊躇の無い行動に、恐れの様な物も感じていた。
ズウゥン……。と言う重い音と、大量の埃を室内に舞わせながら、切られた床が下の階に衝突する。
その中で大門は何とか受け身を取り、床に衝突した衝撃を受け流した後、即座に走り出す。




