口田隊対村上
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戦闘は、同じ流れを繰り返していた。
岩本が放つ斬撃を、村上の鋼鉄の体が受け止め、カウンターを繰り出す。それを岩本がギリギリでかわし、口田と高木が援護射撃を村上に浴びせる。
一見、口田隊が押している様に見えるが、村上の粘りに岩本の体力は削られ、確実に戦況は変わり始めていた。
(くそ……!黒ちゃんがいないからかどうしても決め手にかける……。「死線」を見る岩本でも倒せないと言うことは高木はそれだけ隙がないと言うこと……。正面から一瞬でも良いから打ち崩せる火力……。)
口田は冷静に分析していた。だが、分析すればするほど、負けないにせよ、勝ち筋が見つからない。
(戦い方もいたって「普通」……。高い防御力を生かした守り主体。攻撃は基本的にカウンター。ひたすら粘って相手のスタミナ切れを狙う……)
「………うざい………」
高木の乱射がさらに激しくなる。
銃弾の雨が村上の体にぶつかり、甲高い衝突音が鳴る。
「………」
あまりの乱射に、村上の体が少し後ろに押し込まれる。
「らっしゃあぁぁぁぁ!!!」
さらに岩本の追撃。両手で計6本のナイフをジャグリングの様に操り、高速の連打を叩き込む。
(威力がねーなら手数で押し込んだらぁい!!)
「………ぐっ」
(っ……!「見」えた!!死線!!右足首裏!)
体を無理矢理ひねり、すくい上げる様にして村上の足首を狙う。
「………!!」
プチッ、と。トマトの薄皮がわずかに切れ、中の果汁が少しこぼれ落ちた程度だったが、村上が出血した。
「っつ……!」
村上の顔が、小さく歪んだ。
そしてその「隙」は、次の死線を生む。
サク、と軽い音と共に、
村上の背中に、三本のナイフが刺さっていた。
(さっきのダメージで……、一瞬だが硬化が解けたのか……?)
だが、足りないと思われていた威力を、手数で補った事で、勝利は一気に現実味を帯びてきた。
そしていつの間にか、村上は全身のいたる所から出血し、肩で息をするまでに疲弊していた。
(ごっ……、今からもう一度硬化してあの三人に勝てるか……?)
村上は考える。
村上は今までの戦いの中で、村上は自分の弱点を悟っていた。
彼は、全身を極限まで硬く、硬化させる事ができる。
だがそのかわり、一撃で状況をひっくり返す事ができるような技を持っていない。
なので一瞬の隙を突かれ、無理矢理にでも攻撃を押し込まれてしまうと、逆転はかなり難しくなってしまうのだ。




