スカルヘッド対黒雷その3
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スカルヘッドの体を襲う、一瞬の浮遊感。
それは決して心地よいものでもなく、ただただ自分が劣勢だと言うことを教えるものでしかなかった。
近くのビルの3、4回あたりに叩き込まれたスカルヘッドは即座に立ち上がり、辺りを見回す。
丁寧に並べられていたのであろうデスクの上の書類は散乱し、スカルヘッドがぶつかった場所にあったパソコンなどの機械は、スカルヘッドの重さとガラスの破片でめちゃくちゃになっている。
しかしそんな中でも、電気はいつもどうり明るく部屋を照らしている。非日常的な風景の中に不自然と混じった日常は、中々不気味だ。
(まぁ、視界が確保されてるのはありがたい……。さて、どこから……)
スカルヘッドが全身の鎧を一段と硬化させながらそう考えていると、唐突に電気が消えた。
(視界が確保されててありがたい、つった瞬間これかよ!)
ギタイの身体能力は人間より高いとは言え、暗闇に目が慣れるまでにはやはり数秒かかる。
その隙は、やはり致命的な物となった。
スカルヘッドの脇腹に、衝撃が当たる。
ギシギシとさらに硬化させたはずの鎧が軋み、悲鳴を上げる。
(向こうもさっきまでは本気じゃ無かったってことか……)
スカルヘッドは右手の手のひらに小さな突起状の骨を生成し、それを滑り止めとして使い、飛ばされた勢いを殺す。
(まぁここでっ!)
スカルヘッドは自分の体の周りに骨の壁を作り出す。
(手を緩めるはずは無いよなぁ!黒雷!)
スカルヘッドの右側に作られた壁が轟音と共に粉砕される。
(そこかっ!)
スカルヘッドは右手に握った「骨剣」を振り下ろした。
ギャリィ!と言う擦れる音と共に、暗闇に火花が散る。
(当たった!……が、ガードされたか!!)
スカルヘッドはこの一撃で決めるつもりで「骨剣」を振り下ろした。それを受け止められた事はスカルヘッドに少なからず衝撃を与えていたのだが……、
「……ぉぉおっ……」
「?」
小さなうめくような声が、自分の前から聞こえた。
「………っ!?こいつぁ……」
そして、スカルヘッドに更なる衝撃が走る。
振り下ろした「骨剣」が、徐々に押し戻されていたのだ。
「おおおおおおっっっ!!!」
黒雷が叫ぶ。
スカルヘッドは振り下ろした後、「骨剣」に加えていた力を緩めた覚えは無い。
しかし、「骨剣」は押し戻され始めている。
「こっ……、このガキッ……」
「ガキじゃねーよ、クソガキが」
スカルヘッドの右腕が弾き飛ばされ、握っていた「骨剣」が宙を舞う。
そして、スカルヘッドが見たのは、暗闇に飲まれた室内に激しく輝く、黒雷の固く握られた右手の拳から溢れ出す電光だった。




