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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
3・宣戦布告
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東京の片隅で

読んでいただきありがとうございます!

都会の夜は明るい。

誰かの残業で作られたビルから漏れ出る光のイルミネーションが町を照らし、街灯や携帯端末の光で常に町は昼のようだ。

そして、今日。

普段通り、町は明るい。

ビルの明かりは全て付き、街灯は心無しか普段より明るく町を照らしている。

しかし、一般人は一人もいない。

今日の晩御飯は何にしようだとか、明日仕事めんどくせー、だとか。そんな日常的な会話を繰り広げる人々は、一人も居なかった。

代わりにいるのは、やや奇っ怪な色合いの服を着た、異様な緊張感を持った集団。

掃除人達だ。

現在、夜の8時59分。ガブの襲撃まで、後1分。

何気無い町並みに擬態する本部を守りながら、各々辺りに注意を払っている。

本部を中心に、半径5キロメートルの円の様に一定の距離を空けながら、どこからガブがやって来ても良いように備えている。

そして、9時。

一瞬の「タメ」もなく、それは始まった。

本部の北側、3キロメートル程の所にある、人払いを済ませたビルが1つ、「崩れ落ちた」。

巨大な砂煙と轟音を巻き上げながら崩れ落ちたビルは、掃除人達の注意を一気に引き寄せる。

そして、

「がぁぁぁぁ!!!」「じゃぁぁぁ!!!」「ざぁぁだぁ!!」

東西南北、各地から、体を「氷」に侵食されたギタイ達が次々と現れた。

「これは……!」

東に居た日田はそんなギタイ達の様子を見て、廃校で戦った多田の事を思い出した。

「っくそ!取り敢えず倒すぞ!!」

日田は近くにいた掃除人達に呼び掛けた後、厚手のレインコートの下の手をマグマにし、「氷のギタイ」達に飛びかかった。



「っつ……。くそ!何なんだ……!」

突如崩壊したビルの近くにいた古田は、あまりの砂煙に少し吹き飛ばされ、腰に少しの痛みを覚えながら立ち上がった。

(まぁ……十中八九ガブのギタイの仕業だろうが……。急に経年劣化とかで壊れました、とかじゃさすがにないだろ)

一瞬にして無惨な姿に変わってしまったビルを、改めて見る。

大量の瓦礫が積み重なり、小さな丘の様になってしまったビル。

「よいしょー。ビックリしてくれたかな?」

「!」

その瓦礫の丘の上に、小さな人影が姿を表す。

長い髪をした、華奢な少年?だ。

「まぁ……。たまたまこのビルの中に残ってたガキが……、奇跡の生還。ってわけじゃ無さそうだし……。お前か、このビルぶっ壊したの」

「そうだよ、皆を驚かせるためにねー。深い意味はありゃーせんー」

「ちっ、ふざけやがって……」

ケラケラと楽しそうに笑う少年を見て、古田は小さく毒づく。

「……さぁて、それじゃあ、戦おっか。お兄さんも、僕の事見逃す訳にはいかないでしょー?」

「当たり前だろ。ここで殺す」

「怖いなぁ、全く。まぁ、一応名前だけ、僕の名前は「関ヶ原・十」お兄さんは?」

「古田だ!」

関ヶ原の足元の瓦礫の一つが持ち上がり、何かが飛び出す。

現れたのは、古田の「ダイダラゴン」だ。

そのしなやかで鋭利な刃が、関ヶ原の首に飛び付いた。

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