スライムその7
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「……あの野郎……。体の周りにスライムで厚い壁でも張ってやがんな……」
ダイダラゴンから伝わる感触を元に、古田はそう推測する。
「まぁ良い……。あいつの位置は大体わかった。口田ぁ!準備しろ!」
「了解!」
口田は「黒雷・貫」を取り出し、いつでも撃てる様構える。
「一撃で確実に殺す為に万全をきす!まずは俺がダイダラゴンで「スライム」の位置を固定し、その瞬間広末が手甲の爆発を一点に集中させて肉壁を貫き口田の視界を確保。高木と岩本はちゃんと時間稼ぎ頼む!」
「わかったから早くしてよー!この間にもこの肉壁迫って来てるんだから!」
「当然!」
既に古田のダイダラゴンは再び「スライム」の本体に向かって突き進んでいた。
十分加速したダイダラゴンの刃は、今度は「スライム」の手の部分を狙ってスライムの壁に突撃した。
(先の攻撃で「スライム」は顔面を守る為の壁を厚くしたはずだ……。つまり他の部分は若干でも壁が薄くなっている可能性がある)
そんな古田の予想通り、ダイダラゴンは先程よりも深くスライムの壁に突き刺さった。
(よしっ……!!行け!!)
そして、ダイダラゴンはスライムの壁を引きちぎり、「スライム」本体をとらえた。
(来た……!この感触……。恐らく左手、あまり良い物じゃねえが……。肉に食い込むこの感触……!)
そのままダイダラゴンは床に潜り込み、「スライム」の体を固定する。
「広末っ!!」
「了解っっ!!」
広末の手甲から放たれた爆音が部屋の空気を熱く揺らす。
そして一点に集中させたその爆撃は厚い肉壁を突破しきり、直径1メートル程の穴を開けた。
口田がその穴を覗きこむと、確かにそこには昨日本部の会議室で見た眼帯の男が立っていた。
口田の目が、眼帯の男と合う。
その目は、左手をダイダラゴンに突き刺され、動きを封じられた者の目では無かった。
未だ勝利を諦めていない、手負いの肉食獣の様な目だ。
(ここで時間を与えれば……!)
口田の脳は、一刻も速くこの男を倒さなければならないと言う結論を叩き出す。
口田は右手に構えた「黒雷・貫」の銃口を高く上に向け、引き金に指をかけた。
「こい……、「黒雷・act2」!」
バシュッ、と「黒雷・貫」から細い電撃が空に向かって放たれる。
(座標は僕の少し前……、あの男がいる位置を指定した……)
そして、次の瞬間。
ビルの屋根を貫き、大量の土煙とビルの崩れる轟音と共に、「黒雷・act2」が「スライム」本体の上に飛来した。その様子はまさに黒い落雷。天から降り注ぐ災害だった。
目に宿る闘志がヤバい男




