スライムその6
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古田はしゃがみ込み、靴のかかとの部分にある四角いスイッチを押す。
すると、古田の靴のかかとの部分から、鞭の様にしなやかな刃が現れた。
古田の両足から現れた2つの刃はまるで生き物の様にクネクネと動く。まるで、いきなり置かれた自分の状況を確認するかのように。
「さて……行くぞ、「ダイダラゴン」……!」
ダイダラゴンと呼ばれた2つの刃はそれに答えるように、シュッ!と言う風切り音を出し、部屋の床に潜り込んで行った。
「潜行し……切り裂け!!」
「ダイダラゴン」が切った物等の感触は、靴を履いた足を通じて古田にも伝えられる。
大会議室の床や壁などには、やはりスライムが潜り込まされており、「破片の怪物」の突進で壊れない様にされていた。
そしてそのスライムを、ダイダラゴンは切り裂いて行く。
ブチュ、ブチュ、ブチュ!と人間の肉よりも柔らかく、瑞々しいスライムをダイダラゴンは一掃し、その本体を探す。
「……っ!俺のスライムが……、切り裂かれてるのか……」
そしてその異変は、「破片の怪物」の肉壁の向こう側にいた浜松にも届いていた。
(壁の中を進んで来てやがる……。俺の位置を探してやがるのか)
浜松は、即座に自らの回りにスライムの壁を張る。
(範囲は狭いがその分厚く壁を張った……。これで壁の中からの不意討ちは防げるはずだ……。それよりも問題は……)
壁を補強していたスライムが次々に切り裂かれて行ってしまっているため、「破片の怪物」の肉壁が動くたびに、ただでさえ悲鳴を上げていた壁が壊れてしまう可能性がある。
「とりあえず……、まずは壁の中で俺のスライムを切り裂いて行っている奴を止める」
浜松は壁の中のスライムを操り、壁の中からスライムを取り出す。
すると、それを追いかける様にして壁の中から細い刃が飛び出してきた。
鞭の様にしなるその刃は、真っ直ぐに浜松の頭を狙い突き進む。
(………、こいつ、狙いは最初からスライムじゃなく本体の俺か……!)
ダイダラゴンの浜松を狙った刃は、その前にある厚いスライムの壁に阻まれ、浜松の顔の前ギリギリで止まる。
(厚く壁を張ったとは言え俺のスライムで止まるとは……。1発の威力はあまり高く無いな……)
だが、壁に跳ね返り加速し続けるダイダラゴンが、いつスライムの壁を突き破るかもわからない。
(まぁ……、俺のすることは最初から変わらん……。「ボス」が来るまでの時間稼ぎと、生き残ることだ……!)




