スライムその5
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2階にもやはり、「破片の怪物」はいた。しかしそれでも2、3体だけだった。
そして、3階。階段を登った先には、「大会議室」と書かれた扉があった。
3階には、この「大会議室」と物置。そしてトイレくらいしかない。「スライム」が居るとすれば、この「大会議室」だろう。
「……よっしゃ、行くぞ!」
古田が扉を勢い良く開ける。
「なっ………」
そして、そこには信じられない光景が広がっていた。
部屋の中は、隅から隅まで、「破片の怪物」で埋め尽くされていた。
四角い部屋の中は、モゾモゾと蠢く「破片の怪物」たちで一杯になり、壁もミシミシと悲鳴を上げている。
そして、そんな「破片の怪物」により作られた肉壁の向こう側から、声が聞こえた。
「こんな所までご苦労さん、掃除人の皆さん。……ま、早速で悪いが、死んでくれや」
あまり感情の込もっていない低い男性の声が、肉壁の向こう側から響く。
そして次の瞬間、口田達が「大会議室」に入る為に使ったドアが、大きな音と共に閉まった。
「………開かない……」
扉の近くにいた高木がドアを開けようとしたが、何故かドアの鍵は外側から閉められていた。内側から鍵を開けようとしても、上手く鍵が回らない。
「閉じ込められた……。ってわけか……」
古田の頭に嫌な予感がよぎる。
「おい広末!、お前の掃除道具で壁壊せ!一旦この部屋から脱出するぞ!」
「わかってる!!」
広末の手甲が、大会議室の壁に叩き付けられる。脆弱に見えた廃ビルの壁は、簡単に壊れると思いきや、衝撃を吸収しきり、広末の一撃を耐えきってしまった。
「古田ぁ!この壁おかしい!!何か中に入ってるよ!!」
「ちっ!!スライムで壁補強しやがったな……」
ズッ………。
そして古田が壁を壊すのが不可能かと思った時、床を這いずる肉の音が聞こえた。
見ると、「破片の怪物」で作られた肉壁が、古田達に向かって動き始めていた。
このままでは、古田達は大会議室の壁と、「破片の怪物」の肉壁に挟まれてしまう。そうなれば、死は免れないだろう。
「ちっ……。広末!口田隊!時間稼げ!!俺が「スライム」の位置を探る!そっからは口田、予定通り頼んだぞ!」
「は……はい!しかし古田さん!何を……?」
「ああ?俺の掃除道具を使うんだよ。俺のは広末のみたいな破壊力はねぇが……。搦め手が得意なんだ。「スライム」……。ここから生きて帰れると思うなよ……!」




