スライムその4
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「俺と広末が至近距離で行くから口田隊は援護しろ!!」
古田の激が飛ぶ。
昼間だが内部の電気が止まっており、少し薄暗いビルに入った瞬間の出来事だった。
一番前を進んでいた古田に何かが飛び付いた。
幸い、即座に気が付いた古田に一蹴され、砕け散ったのだが、その特攻とも言える攻撃を皮切りに、部屋のいたるところから、体がビルの壁や床の破片から出来た人形の怪物が現れた。
口田が足元に落ちた古田に粉砕された破片の怪物を見ると、破片の下は、どろどろとした人形のスライムの様な物がうごめいていた。
(この「スライム」の様な物が人の形を型どり、そこに破片が引っ付いている……。道端に捨てられたガムにゴミとかが引っ付いてるのと同じ原理か……?)
しかし、「スライム」の様な物が主となってこの攻撃を行っているのであれば、それはここに居るとされているギタイの「スライム」の仕業だろう。
「よっしゃあ!!行くぜっ!!!」
そんな大声と共に、部屋に爆音が響く。
「っつ……なんっすか!?」
部屋の反対側で「破片の怪物」と戦っていた岩本が声を上げる。
音のした方を見ると、そこには頭部(と思われる)部分を粉々に粉砕され、地面に叩き付けられたスライムが合った。
そして、そのスライムを見下ろして静かに立っているのは、広末だ。
(多分今のが……広末さんの掃除道具……)
広末の掃除道具は両腕に着けた、肩まで被う巨大な手甲である。
普通に殴っただけでも、十分な破壊力を生み出すそれだが、真に恐ろしいのは、手甲の掌の部分に装備された「起爆装置」である。
広末の任意で敵を殴った時に発動させる事ができ、ノーモーションでの強力な追撃を可能としている。
「おらぁ!!じゃんじゃんこいやぁぁぁ!!!」
広末のもはや獣の咆哮にすら感じられる叫び声が、さらに怪物達を威嚇する。
そして、いつの間にか部屋の中にいた「破片の怪物」達は全て床に転がっていた。
「ふぅ……これで終わりか?案外あっけなかったな」
「……何か、「殺意」ってのが無かったすね……。まぁ、無機物なんで当たり前かもしれないっすけど……」
「………何かの時間稼ぎ……?」
「だとしたら厄介だな……。話してる時間も惜しい。一気に3階まで行くぞ!!」




