「ガブ」の巣その3
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扉を潜ると、そこにはここまで見てきた、殺風景な景色とは一転、少し暗いが美しいものだった。
床には真っ赤に染められた絨毯が敷かれ、その上に置かれたなが机には柔らかい光で部屋を照らすテーブルランプがあった。
壁には大量の油絵が飾られている。パット見、適当に絵の具を重ねただけに見えるそれらは、スカルヘッドの素人目に見ても、あまり上手い物とは思えない。
(………?まぁ、こう言うのがいいって言う奴もいるのか……?)
そして、部屋の中には3人の男が座っていた。
1人は、机に足を投げ出して飴を舐めている、小柄な少年だ。
やや中性的な顔立ちで、よく延びた髪が左目を隠している。
1人は、厚い筋肉で全身を武装した、大柄の褐色肌の男性。
逆立った髪の毛と鋭い目は、どこか猛獣の様な気配を秘めている。そんな嫌でも目立つ様相だが、着ている服は白地の地味なTシャツだ。まぁ、何と言うわけでは無いのだが。
そして最後の1人、なが机の一番奥に座っている男。
目、鼻、口、髪の毛。どれをとっても今一、特徴の無い顔立ちだ。隣を通り過ぎる一般人の様に、記憶に上手く残らないような、そんな顔だ。
しかし、スカルヘッドにはその男を無視する事は出来なかった。
(この二人……、小柄と巨漢……。この二人よりあの奥の薄い男は地位が上だ。おそらく………)
「ボス。スカルヘッド君、連れてきました」
万月が普段のふざけた口調とは違うまともな口調で、奥の薄い男に言った。
「君が、スカルヘッド君か……。「ガブ」にようこそ。私は「ガブ」のリーダーをさせてもらっている。「大門・千」だ。よろしく。」
(やはり、か……)
そう言いながら大門は立ち上がると、スカルヘッドの前に移動した。
案の定、声も耳の中を風の様に何も残さず通りすぎていく物だった。
「ステージ4の君が家に入ってくれるなんて、とても嬉しいよ。共に、頑張って行こう」
「ああ……よろしくお願いします」
スカルヘッドは大門が差しだ来てきた手を握った。
「それじゃあ、今ここにいるメンバーで自己紹介をしておこうか。万月の事はもう知っているだろうから……、関ヶ原君、君からだ。」
大門は、飴を舐めている小柄な少年の方を向いて言った。




