「ガブ」の巣その2
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「いや~~、いいリアクション!スカルヘッド君の人間的な部分を初めて見れた気がしたよん」
スカルヘッドの後ろから、ヘラヘラと笑いながら万月が歩いて来る。
「……で、どうなってるんだ?これは?」
スカルヘッドは万月に尋ねる。
「んん~?そうだね、まぁ、君の事だから僕がからかってるんだと思ってるんだろうけど……。ノンノンノン、ここは元々こういう「建物」なんだよ」
「こういう「建物」……?」
「そうそう。この建物は昭和の初期くらいからあったらしいよ。この、何もない形でね」
万月は黒い室内をグルリと見渡しながら言う。
「そしてこの建物のとある現象が発見されたのは、平成に入ってから……。肝試しでこの建物に入ってきた若者が見つけたらしい」
そう言って万月はスカルヘッドの少し前まで進むとしゃがみ込み、床に敷き詰められた1つのプレートに手を当てる。
「まぁ、見ててよー」
万月はコツン、とプレートを叩いた。乾いた音が室内に響く。
「………?お前、何してんだ……?」
スカルヘッドが少し呆れた様に万月に言う。
「さぁ……「来るよ」」
万月はスカルヘッドが少し呆れている事には気付いていないようだった。変わらず下を見ている。
そして、スカルヘッドがもう一度万月に声をかけようとした時、
それは「来た」。
万月の近くの、小さな平均台の横幅程度のプレートとプレートの隙間から、粘土をこねる様にして何かがゆっくりと盛り上がって来た。
10秒程すると、そこには黒く飾り気の無い扉があった。
「………」
その光景に、スカルヘッドは圧倒され、言葉を失う。
異様な光景だった。沢山の「ギタイ」や「掃除人」と関わり、何かの「能力」が発動した気配の様なものを、感覚で少し理解出来る様になっていたスカルヘッドだったが、今の扉が出来た現象には、そう言った「能力」は一切感じる事は出来なかった。
「ふふふのふ、スカルヘッド君。この現象にはギタイの能力は一切使用されて無いよ。この建物は特定のプレートを叩く事で、部屋と部屋を移動する扉が出現する様に出来てるんだ。この建物はこう言う「建物」。それ以上でもそれ以下でも無いんやな~~」
そう言うと万月は「来い来い」と言う風に扉に手をかけ、スカルヘッドを手招きした。
その扉をくぐれば、何かもう後戻り出来なくなる気がする。
(いや……、もう俺には後戻りも何もない……。目的に向かって進むまでだ……)
「ああ……今行く。」
小さくそう言って、スカルヘッドは扉に向かって行った。




