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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
2・ギタイ組織「ガブ」
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アイス・マグマその4

読んでいただきありがとうございます!

(やはり……2対1はきついか……)

多田は黒瀬と日田の猛攻を何とか受けながら、そう思う。

(どちらかが隙を作って、そこにマグマなり、「黒烏(かたな)」なりを叩き込むと言う動きが、この二人の基本的な連携。……だと思う。どちらかと言えば日田が援護か?)

黒瀬を狙う氷の針を飛ばしても、日田のマグマで溶かされ、その隙を黒瀬が突いてくる。

黒瀬も日田も、単体の殲滅力だけで言えば国内でもトップクラス。その二人の連携をギリギリでも防いでいる多田も大した物なのだが。

「くっ!」

多田は氷で簡単な太刀を作り出し、右手で握る。

「はあっ!!」

黒瀬の「黒烏」と多田の太刀がぶつかる。

きらめく氷の刃に、黒烏の漆黒の刃が写る。

2度、3度。多田と黒瀬が打ち合う。

甲高い金属音が響き、小さな氷の結晶が宙に舞う。

そして、打ち合えば打ち合うほど、多田は黒瀬との力量の差を痛感した。

(人間とギタイ……。身体能力は圧倒的にこちらが上……!なのに…押し負ける……!)

剣術の素人の多田には分からないが、力の入れ方等で差を付けられているのだろう。

(だが……。それも分かっていたこと!!)

多田の目的は純粋な剣術で黒瀬に押し勝つ事では無い。

「!」

気付けば、黒瀬の「黒烏」に大量の糸が絡まっていた。

多田の持っている氷の太刀から伸びたそれは、多田が黒瀬の「黒烏」に氷を効率良く伝える為の、道の様なものだ。

「ちっ!」

黒瀬の「黒烏」は、抗う暇もなく糸をつたって来た氷に浸食され、氷り漬けにされてしまった。

「はぁ……。いや、氷に相性のいい日田君がいるとはいえ、うかつでしたね。「黒烏」がダメになってしまいました」

「氷だけ溶かしてみようか?」

「いえ……。上手く溶かせたとしても、元の切れ味や硬度は保てていないでしょうし……。それに「黒烏」に傷をつけず、氷だけ溶かすと言うのは至難の技だと思いますけどね」

「う……。確かに……」

「……、普通「マグマ」何て物を操る掃除人と相対した時点で戦意喪失してもよさそうな物を……。彼には、どうしても負けられない理由があるのでしょう。……スカルヘッドの様に」

「………」

確かに、多田の粘りは異常だ。

「氷」と言う「マグマ」と相性の悪い能力ながら、一切諦めず戦っている。

「……「理由」……ねぇ」

大方、屋上にいる仲間を守るとか、その辺りだろうな。と日田は予想する。

対して俺が現在、「多田」と戦う理由は「任務」だから。これが一番大きな所だろう。

それは、結局の所、人から与えられた理由だ。

自分で定めた、心の中に強くある「理由」と、他人から投げられた一時的な「理由」。どちらが重く、「強い」かは明白だろう。



(はぁ……はぁ……。これで何とか1人無力化できたか……?)

多田は黒瀬との打ち合いを終え、緊張が少し溶けたのか、体にどっと疲れが流れ込んで来るのを感じた。

顔を上げると、日田と黒瀬は何か顔を寄せて話合っている。

(恐らくここからは日田が主となって攻めてくる筈だ……。どうやって防ぐ……?)

多田は疲れた体に鞭を打って、次の攻撃を防ぐ為の思考を始めた。

(何とか近付いて来たんだ……。仲間を守る事の出来る「ハッピーエンド」に……)

そう多田が考えた時、日田が立ち上がった。

(……何をするんだ……?)

日田は立ち上がると、真っ直ぐに右手を上に上げ、動きを止める。

(……?こちらに向けるのではなく……「上」……?そんな方向に攻撃しても当たらな……!!)

「まさか!!」

多田は気付いた。出来ることなら気付きたく無かった、日田の「狙い」に。

(いや……気付いて良かった!気付かなければ、「止められない」!絶対にそれだけは……させない!!)

日田の狙いは、多田(おれ)では無い。屋上にいる俺の仲間達だ。

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