アイス・マグマその2
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校舎の一角はもはや、自然災害に襲われているようだった。
高温のマグマが教室を溶かし尽くしたかと思うと、絶対零度の氷が教室を侵食し、何とか校舎が崩壊するのを防ぐ。異常な暑さと寒さがぶつかり合うその光景は、一対一の戦いとは思えなかった。
(あの多田って野郎は、屋上にいる仲間の為壊れた場所を直しながら戦っている……。つまり現状俺が有利。さっき見たらいつの間にか口田達は別の所に行ってた……。俺は思う存分力が出せる!)
日田は攻撃しながら考える。
「しかし……本当によく粘るな……。俺の方が能力的にも有利なはずなのに……」
日田の「マグマ」は、他と比べれば多少時間はかかる物の、多田の氷を溶かす事が出来る。
「おおっ!!」
日田のマグマをかわした多田が、右手から巨大な氷柱を作り出し、日田にぶつけた。
命を獲りに来る攻撃にしては美しすぎる氷柱。
それを日田は真正面から受け止める。
「鳥」戦で見せた「膨張」を、今度は両腕で行う。
(こいつは校舎ぶっ壊れるな……)
氷柱と日田の両腕が激突する。
一時は拮抗していた両者の勝負だったが、段々と日田の両腕が氷柱を飲み込んで行く。
(だが……この大きさ……。そう簡単には溶かしきれないか……?)
日田がそう考えた時、日田は上から冷気を感じた。
(!?)
日田が上を見ると、まるで蝙蝠岳の様に、多田が天井にぶら下がっていた。
自らの足を氷で固定し、ぶら下がっているのだ。おそらく、天井に氷の「道」を作り、その上を氷を両手両足にまとい、「道」に引っ付く様にして、ヤモリのように静かに移動してきたのだ。
つまり、この氷柱は完全に囮。能力の相性を早々に見切った多田は、真っ向勝負では勝ち目が無いと悟っていたのだ。
「悪いですが……死んで下さい」
多田の右手が日田の顔に触れようとする。
その右手に触れられれば、確実に死ぬ。死神の鎌だ。
(かわす!!)
だが、足が動かない。見れば、日田の両足に氷が侵食してきていた。廊下に足が引っ付いてしまっている。
完全に「詰み」。多田の右手をかわすことは出来ない。
そして、多田の右手が日田の顔面に触れた……。
「………」
いや、触れていない。
日田の顔面の、多田の右手が触れようとしていた部分。
そこがスライムの様にどろどろになり、顔の形を変える事によって、多田の右手から逃れたのだった。
そして、日田の両腕が氷柱を溶かし尽くす。
「おらぁ!!」
「くっ!」
日田の右腕が天井の多田を狙って叩き付けられる。
多田はそれを間一髪で回避。再び日田と距離を取った。




