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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
2・ギタイ組織「ガブ」
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アイス・マグマ

読んでいただきありがとうございます!

鳥の濁流と、膨張し廊下一杯になるまで大きくなった日田の右腕がぶつかる。

そしてそのぶつかり合いの「勝敗」……。どちらが押し負け、消滅するかは、一瞬で決まった。

ぶつかり合った瞬間、鳥の群れは、1番前を飛んでいた鳥達を盾にして、無理矢理日田の右腕に自分達を押し込んで行った。

だが、そんな抵抗も一瞬。

「びぃぃぃ!?!?!?」

「鳥」の能力は、触れた物の性質や重さ等をそのままに、姿形を鳥に変えると言うものだ。

「鳥」が日田に突撃させた鳥達は、元は刀やナイフ等の刃物。

鉄から出来ている物が多く、良く溶ける。

「ざっらぁ!!!」

日田の右腕が鳥達を溶かしつくし、その右腕はそのままの勢いで「鳥」すらも飲み込んだ。

「がっ……あっ……」

「鳥」は日田のマグマに溶かされ、跡形も無く消滅した。

唯一残った物は、お面の端に付着した、小さな氷だった……。

「……!?氷……?」

今は夏だ。日本では確かに夏にも冬に作られた氷が残っている地域もあるが、少なくともこの校舎はそれではない。

パキ、パキパキ……。

いつの間にか、日田の周りでそんな乾いた音が響いていた。

「っつ……!これは……」

気付けば、日田が先程の攻撃で溶かし尽くしてしまった校舎の柱や壁、床を透明な氷が覆って行っている。

1部が溶かされ、崩れかけた柱に氷が侵食し、柱を支える。

床の溶けた部分には厚い氷が張り、再び廊下が出来上がる。

「こんな事ができるのは……」

今この場の状況で考えれば、もちろん「ギタイ」の仕業だ。

しかも、これほどの広範囲に渡って影響を及ぼす能力を持っている。

(………おそらく、ステージ4)

つい先日相対した、スカルヘッドと同格の相手。

スカルヘッドはまだ年若く、ステージ4に成り立てだったのもあってか、ある程度すんなり勝つ事が出来た。

だが、今回もそれと同じとは限らない。同じ可能性の方が低い。

(……!人の気配が……)

階段を降りてくる音が氷漬けの廊下に響く。

そして、姿を見せたのは、体の左半分に氷を纏った男。

(見てくれからしてこいつ……!)

すこし逆立った髪をしたその男は、体の半分に氷を纏っている物の、どこか地味な雰囲気が漂っていた。

おそらく、着ている服がYシャツと黒いジーンズだからだろう。

(いや……見てくれに騙されるな……。)

確かに雰囲気はスカルヘッドや今まで見てきたギタイには及ばないが、かなりの規模を氷漬けにしたのは確かだ。

「あの……貴方ですか?今この学校を半壊させかけた人は……?」

男はそう日田に問いかけて来た。

「……そうですけど、あなたは……ギタイですよね?」

「はい。貴方は「掃除店」さんですよね……。しかもかなりお強い……」

男はそう言うと、参ったな……。と言う風に頭をかく。

「すいませんが……。ここにはたくさんの仲間が居て……、僕にとっては全員大切な仲間です。」

男の語気が、少し強くなる。それで日田は、次の言葉を、男がとる行動がわかった。

「一応私はこんな強い力を持ってしまって……。貴方も「掃除店」の人として放置は出来ないと思います……。そして私も、貴方のような強い「掃除人」も、今は放置出来ません」

「……あんたは多分良い人なんだろうな。敵に「殺す」理由をペラペラと説明して。仲間を守るために戦ってる」

「………」

「何も言わずに後ろから襲えば良いものをな。良いぜ、かかってこい。」

「……はい。それでは。私、「多田」と申します」

「日田だ。よろしく」

氷とマグマの激しく、冷たいぶつかり合いが、始まった。

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