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ギタイ 〜全テヲ食ラウモノ~   作者: もちのすけ三郎
2・ギタイ組織「ガブ」
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バード・ヒーローその4

読んでいただきありがとうございます!

ズブッ。

重い、ゆっくりとした音だった。

それは、鳥が岩本の右肩に止まった時、岩本の耳の奥に響いた音。

そして、岩本の体に、重い音には似合わない鮮烈な痛みが走る。

「っづあっ!!」

とっさに岩本は右肩に止まっていた鳥を弾き飛ばす。

びぃ!と悲痛な鳴き声を上げ、鳥は床に叩き付けられた。

「ぐっ……!これは……!?」

岩本は鳥が止まっていた右肩を見る。

そこには、皮膚が切り裂かれ、蜜柑の果肉の様な赤い筋肉と、その筋が覗いていた。

(これは………)

岩本は、自分の肩の傷口に見覚えがあった。

(この切り口……。俺のナイフの物とよく似てる……)

「おい!大丈夫か!?」

右肩から突如血を流した岩本を見て、日田が駆け寄ってきた。

「っつ……。いや、案外致命傷ぽいすね……。右腕が動きません。」

「マジかよ……。左手だけで戦えってのも無茶な話だしな……。おい、岩本。確か黒瀬が医療品を持ってた筈だ。一階まで降りて貰ってこい。」

「は……はい。しかし階段はお面に塞がれています……」

「そうだな……。確か最近の小学校には……」

日田は近くの教室の中に目を走らせる。

「あった……。おい、岩本。そこの教室の隅……。四角い箱みたいなのがあるだろう。あれは多分火災とかが発生した時に使う避難用の道具だ。1人じゃ少し大変かも知れないが、あれを使って外に逃げろ。それで黒瀬の所に行け」

「………分かりました。すぐに戻ってきます!」

岩本は少し、日田を1人で残してしまうことに迷いを感じていた様だが、手負いの自分がいたほうが足を引っ張ってしまうと考えたのだろう。すぐに教室の中に入って行った。

「………あら、良いのかしら?1人になってしまった様だけど……?」

「ああ……?良いんだよ、これで……。1人の方が……

本気が出せれる」

「は?」

日田の両腕が黒く染まる。

「はっ……、はぁ!?貴方……それ!?」

「さっきの「悪魔」野郎に服破られたせいで、岩本の前じゃ能力使えなかったからな……。」

日田の両腕からとてつもない「ヤバさ」を感じた「鳥」は、自らの命を守るため、即座に行動にでる。

「……くそ!これでもくらいなさいな!!」

「鳥」がそう言うと、鳥の後ろから大量の鳥が廊下に飛び込んできた。

鳥達は廊下に羽を撒き散らしながら、真っ直ぐに日田に向かって突撃する。

廊下の中を所狭しと暴れまわりながら日田に向かった来るその様子は、さながら泥や岩、あらゆる物を飲み込みながら進む濁流の様。

「この鳥達は全て、元は刀やナイフ!!当たり所が悪ければ一撃即死の業物達よ!!」

「……そうか」

日田の右手がバクン!と水風船の様に膨張する。

「まぁ……溶けるだろっ!!」

日田は膨張し、巨大になった右腕を、突撃してくる鳥の群れに、容赦なく叩き込んだ。

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