バード・ヒーローその3
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「うおっ!!」
手の中にいる鳥を握るわけにも行かず、手を開いたままにしていると、当然ながら鳥はパタパタと羽を動かし、岩本の手から飛び立った。
飛び立った鳥はパタパタとしばらく飛んでいたが、しばらくすると「鳥」お面の手のひらに降り立った。
「何をしたっすか……?」
「「何をした……?」答えるとでも思っているの?」
「鳥」の淡々とした声が響く。
岩本は自らの掃除道具が鳥になってしまった事がにわかに信じられない様子だ。
「岩本……。今あのお面はお前のナイフに何をした……?」
日田が聞く。
「……何って……」
岩本は先程の一瞬。自分が「鳥」にナイフで斬りかかった時の事を思い出す。
(俺は「鳥」が一瞬俺の投げたナイフに視線を送った瞬間に、「鳥」の死角にナイフを投げて……。)
「……触れられた……」
「何?」
「いえ……俺のナイフ……。「触れられた」んすよ……。あの「鳥」に。別に俺のナイフを破壊しようとか……。そういう目的じゃ無かったと思います。こう……、「ちょん」と。赤ちゃんの肌を触れる様な優しいさでしたよ」
「………と言うことは「触れる」事がトリガーなのか……?「鳥」の能力の」
詳しい事はまだ分からないが、鳥に変えられた岩本のナイフが他と違う所と言えば「鳥」に触れられた事……。
「取り敢えず……あの「鳥」には触れられないよう注意しよう。俺達が鳥に変えられちゃあおしまいだからな」
「了解っす……」
そうは言ったものの、この狭い空間で近距離の戦闘になったとき、あの「鳥」の手に1度も触れないと言うのは中々難しいのでは無いのだろうか………。と日田は思った。
(ちゃんと自分の「能力」と相性が良い所に配置されている。このお面達が優秀なのか……。それとも「指揮者」か?)
「……色々考えている様だけど……。この鳥はお返しするわ……」
「鳥」は鳥に顔を近付け、小さく「行きなさい」とささやく。
その言葉を理解したのだろうか。鳥は「鳥」の手のひらから飛び立ち、岩本に向かって進む。
鳥は岩本の右肩の近くまで来る。どうやら止まる場所を決めたらしい。鳥はパタパタと羽を動かし、岩本の右肩に近付いて行く。
(………?俺達から奪った掃除道具をこんな簡単に離すか……?)
その様子を見ていた日田の頭に1つの疑問が浮かぶ。
岩本はまだ自分のナイフが鳥に変えられ少なからず動揺しているのか、その様な疑問は浮かんでいないようだった。素直に肩に止まろうとするに、肩を差し出している。
(「鳥」はギタイ……。つまり「敵」!その鳥は攻撃の可能性がある!)
「岩本!その鳥を肩に乗せるな!!かわせぇっ!!」
日田の頭に1つの嫌な予感が走る。それと同時に、叫んだ。その鳥は何か危険だと言う警告を。
しかし、いささか遅かった。後5秒でも叫ぶのが速かったら、岩本が日田の声を聞き、鳥をかわすのに間に合っていたかも知れない。
鳥は静かに、岩本の右肩に止まった。




