バード・ヒーロー
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コツ、コツ、と言う音が、静かな校舎に響く。
口田達は現在、校舎内の1階と2階を繋ぐ階段を上っていた。
1階には誰もいなかったが、吊るされた洗濯物や食べ物のゴミなどが所々で見受けられた。
口田達がやって来た事で、急遽避難した為であろう。先程までここで生活していた……。直ぐにわかった。
(恐らく、仕掛けて来るとすれば2階から……)
日田はそう考え、気を引き閉める。他の者も同様だろう。
そして、階段を上り切る。
小学校の校舎と言うのは、1階と2階で構造自体はあまり変わらない。いくつかの教室が設置され、廊下が真っ直ぐ通っている。
「取り敢えず……教室を調べて見ましょう。」
そう言う口田の指示で、2階の教室を両端から調べていくことになった。
口田と岩本と黒ちゃん、日田と岩本と言うように別れ、早速調べ始める。
「特に……何も無いっすね………」
「ああ……。人が隠れられそうなスペースも大体チェックしたしな」
1つ目、2つ目の教室には特に何も無い。小さな子供のおもちゃやお菓子などが所々に放置してあるだけだ。
廊下に出ると、反対側から教室を調べていた口田達と目が合う。
どうやら向こうも何も見つけていないようだ。口田が残念そうに首を横に振っている。
「マジっすか……こりゃ、2階も何も無い可能性が出てきましたね」
「まぁ……まだ教室は残ってる。調べてみよう」
そう言って、日田が次の教室のドアに手を掛けようとした時、
ズガガガッ!と銃の重い乱射音が響いた。
「何だ!」
見ると、口田達がいる方向の廊下の端、つまり日田達とは真逆の方向に、子供向けの特撮ヒーローのレッドお面を付けたギタイが、高木の銃弾を壁に張り付く様にして交わしているのが見えた。
「やっぱり仕掛けて来やがったか……!おい岩本!加勢に行くぞ!」
「いえ……日田さん。それは無理そうです……。」
予想外の答えが日田の耳に飛び込んで来た。
(なぜ?)
理由を聞こうと、日田は後ろにいる岩本に振り返った。
そして、岩本の言葉の理由を察する。
日田達が最初に調べた教室の扉が開き、そこから1人の女……ギタイが現れた。
銀色の髪の毛を後ろで1つに束ね、デフォルメされた鳥の顔がプリントされたお面を被っている。
(これは……ここに来て……「挟み撃ち」っ……!)
学校の狭い廊下のせいで、完全に逃げ道は防がれた。
(完全に……「はめられた」……。と言うことか……!)
(1階に何もいなかったことでもう自ら「襲ってくる」様なギタイはいないと……、どこか都合のいい想像をしていた所があったか!?……いや、十分気を引き閉めていた……。注意はしていた……!?完璧に……?)
日田はバチンと自分で右頬を叩き、マイナスに傾きかけていた思考を止める。
「………とりあえず、この「鳥」野郎を倒すぞ!岩本!」
「了解っす!」
(後ろからの攻撃は「来ない」と信じる……!頼むぞ!口田……!)
ひんやりと少し暗い、狭い廊下での戦闘が始まった--。




