黒雷act2その2
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黒ちゃんが「ひょっとこ」を仕留めた後、口田達は日田と合流。「5分以内」の約束を達成した口田と日田はお互いにねぎらい合った。
そして話題は黒ちゃんこと「黒雷・act2」に移る。
「で……お前は何者なんだ?」
「お前とは失礼だな、レインコート野郎。私の名前は「黒雷・act2」……、元々月島の掃除道具だった「黒雷」を改造して作られた。「黒雷」の強化版だ。ちなみに余ったパーツで作られたのがそこの主が持っている「黒雷・貫」だ」
「彼女は口見さんが研究している新型の掃除道具です。人工知能を内臓した、自分で考え、掃除人をサポートする……、と言うのをコンセプトに作っているそうです」
「む……。私が主力で戦って、お前がサポートするのでは無いのか?主よ」
「いや……まぁ、確かにそういう形になっちゃってるけど……」
どうやら、口田はあまり黒ちゃんを使いこなせていないらしい。
どちらかと言えば黒ちゃんの方が口田を使ってしまいそうな勢いだ。
「それで……、どうするんすか?ここから?一応強そうな「ひょっとこ」と体育館の屋根にいたギタイは倒しましたけど………」
「校舎内も調べるのか……。それとも一旦戻って応援を呼ぶか……」
そう言うのは高木と岩本のコンビだ。
「ああ……それなんだが……、さっき屋根に上った時、あるものが見えてな」
その言葉に口を挟んだのは日田だ。
「校舎の屋上にギタイがかなり集まってた。……女子供が多かった所から見て、おそらく戦う力を持たないステージ1のギタイだと思う。……俺達が学校内に入ってきたのを見て、避難させられてんだろうな」
「ほう……。どうします?口田くん。命令していただければ、僕が全て「殺す」事も出来ますが……?」
「なっ……!」
そう口田に持ちかけたのは黒瀬だ。片腕が使えなくなってしまった自分では、「ひょっとこ」の様なステージ3のギタイの相手に十分に戦えない。それならば………と考えての事だろう。
「流石に無抵抗のギタイを殺してしまうのは……。日田さんの話ですとステージ1の様ですし……。」
「しかしその中から後々ステージ3、4のギタイが生まれてしまうかも知れませんよ?弱い時に叩いてしまうのが良いと思いますが……」
「う……うう……」
黒瀬の冷たい目と冷たい正論に、口田は何も言えなくなってしまう。
「あー……、黒瀬、そんなに口田をいじめてやるなって。確かにステージ3、4のギタイが生まれる可能性もあるけど、生まれない可能性だってあるだろ?……まぁ俺が口を挟んじまったのも悪いんだが……。今話してたのは「校舎内に入るか、入らず撤退するか」だ。屋上のギタイはちょっと後回しにしようぜ?」
暗くなってしまった空気を察して日田が黒瀬をなだめる。
「んで口田隊長?どうする、「入るか?入らないか?」」
今回の任務はあくまで「調査」だ。「殲滅」では無い。ここで帰る事も可能である。なんの問題もない。……が、
(今この場には日田さんと黒ちゃん……。ステージ3にも十分対応できるメンバーが居る……)
この恵まれた環境を、最大限生かしたい……。
「「入ります」……。口田隊の3人と日田さんで行きます。黒瀬さんは念のため、ここで待っていて下さい。……屋上に、勝手に行かないで下さいね!」
「了解しました。……退路を確保するのも大切な仕事ですから」
そう言うと黒瀬は壁にもたれ、「いってらっしゃい」と一言。
その言葉と共に、口田達は小学校の、かつて明るい朝の爽やかな気持ちと共にくぐった玄関を、緊張した足取りで入って行った。




