巨漢「ひょっとこお面」その2
少し不意を突かれたような形で「ひょっとこ」の接近を許してしまった口田達だったが、
「ふっ!」
黒瀬が「黒烏」を一閃し、牽制。「ひょっとこ」の動きを抑制する。
そして一瞬動きが止まった「ひょっとこ」に、突撃する影が1つ。
口田隊の岩本だ。
岩本の両手には銀色の刃を持った小ぶりのナイフが握られている。
「があっ!!」
「ひょっとこ」が巨大な右手を突撃する岩本に向かって振り抜く。
十分な勢いの付いた「ひょっとこ」の拳は、まともに喰らえば即死すらあり得る逸品。
「ひひっ!大振りっすよ!!」
それを岩本は体をひねって紙一重で交わす。
すれすれの回避だったが、そこにはどこか余裕が見える。
そのまま岩本は、「ひょっとこ」の丸太のような右腕を、体をひねった勢いをそのままに切りつける。
流石にこの至近距離での攻撃を耐えうる程の力は、ギタイの身体能力でも不可能。
ブシュ、ブシュュ。と、「ひょっとこ」の右腕から赤黒い血が溢れ出す。
しかし、そこまでの致命傷では無さそうだ。「ひょっとこ」は、初めは少し恐る恐るといった感じで右腕を少し動かしてみていたが、最終的には問題無さそうに動かしていた。
「ふん……!温い!!」
右腕の無事を確認した「ひょっとこ」は、再び驚異的なスピードで口田達に接近しようと、地面を蹴る。
「……させない」
そんな小さな声と共に発生したのは激しい銃声だった。
その音の主は高木だ。彼女の両腕に下げられた巨大な「散弾銃」が、火を吹いたのだった。
男性が1つ扱うのに両腕を必要とするそれを、彼女は片腕に1つ、合計2つの散弾銃を同時に扱っている。
降り注ぐ銃弾の雨を、「ひょっとこ」は両腕を前で交差させ、防御の構えをとる。その間にも足は止めず、前に突き進む「ひょっとこ」には、何か銃弾を防ぐ秘策があるとしか思えなかった。
「「ひょっとこ」が何かしようとしています!気を付けて!」
それを感じとった口田は声を上げる。
そしてその「秘策」は、次の瞬間即座に行使された。
読んでいただきありがとうございます。
銃などに関する知識はにわかです。深く考えずお読みください。




