お面と掃除人
「何故……。そうかぁ〜。うん、説明しよう!」
万月の喋り方は変わらない。
「最近「掃除店」の「ガブ」潰しの頻度が全国で上がっていてねぇ。都内の戦力を持たない「支部」も次々潰されてる。さすがにこれ以上無抵抗にぃ〜〜、潰されるのも不味いので………」
「………うちに「護衛」を付けた……。と言う事ですか」
「イエス!!そのとおっりぃ~~~。ちなみにこの支部に付けたのはたまたま僕が近くだったからです~~」
「………ありがとうございます……」
「いえいえ~~」
そう言い笑いながら万月はガバッと多田に肩を組んできた。
(うーむ………。この何と無く馴れ馴れしい感じ……。少し苦手かな……」
多田は肩を組まれながらそう思った。
「それじゃあ、僕は帰るから、お面達ぃ!きっちり支部長くんの言う事を聞いて頑張るんだよん~~」
そう言うと、万月は手を降りながら部屋から出ていった。
「………ふぅ………」
多田は額の汗を手で拭った。どうやら、自分で思った以上に、緊張していたらしい。
(これでうちの戦力はかなり上がった………。しかし何だ……?この言い様の無い不安は……?万月様は何でうちにこんな戦力を投入したんだ……?本当に「近くにいた」だけか……?)
周りの奴等は「万月様の加護だ」、「ありがたい、ありがたい」と大いに湧き、喜んでいる。
だが、多田はいまいちその熱に乗りきれなかった。その周りとの温度差が、こんな不安を呼んでいるのか………。
「本当に……嫌な予感がするな………」
気付けば、口からそんな言葉が出ていた。
それから3日後。
調査……、おそらく、ギタイとの戦闘も含まれたそれは、決して気の抜ける物ではない。
口田隊と、「日田と黒瀬」は、現在、調査対象の廃校の前に来ていた。
スカルヘッドと交戦した時とは違い、今は昼間だ。14時30分。
後ろにいる岩本と高木は、やはり何となく緊張した面持ちでいる。しかし、
「いや、やっぱり「見切り」より「守備強化」だろ。見切りの発生確率は15分の1。そんな運が絡んだものより常にかかってる守備強化のほうが良い」
「何を言っているんですか日田君。見切りは発生すればダメージを完全に遮断できます。合計すればダメージは守備強化より低くなる……」
「あの……今ゲームのスキル構成の話をしないで貰えますか?雰囲気が………もうちょっと集中出来るものにした方が………」
口田は1つの隊の隊長として、何とか日田達に物申す事が出来た。
「あ……すまん。悪い……いつも二人でいる感じでやっちまった……」
「あ……そうなんですか……」
この二人は任務の前はいつもこんなにリラックス出来ているのだろうか。もしそうならそれはとても凄い事だが。
「それじゃあ、行きましょうか。……皆さん、くれぐれも気を抜かずに」
「「「了解」」」
こうして、口田達は廃校………、ステージ3のギタイが5体もいる。ガブの支部に足を踏み入れたのだった。
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