スカルヘッド4-6
「ごっ……!!」
スカルヘッドの口から、ゴプッ、と血が溢れ出す。
ギリギリ間一髪、スカルヘッドは心臓部分と切られた部分の肉体を即座に骨で包み込み、繋げたため、何とか絶命を免れていた。
(だが………致命傷……!確実に次が来る………!)
出血のせいか、頭が重く、上手く働かない。視界も心無しか狭まって来たように感じる。
(骨で……ガード……)
スカルヘッドは朦朧とする頭で何とかそう考え、右手から骨を生成しようとする。
ズパン!!
だが、その瞬間だった。
スカルヘッドの目の前に、固く、白い骨で武装した自らの右腕が、転げ落ちていた。
プシャァァァ、と切られた右腕から、五十年程使われ、出が悪くなった噴水の様な感じで、血が吹き出していた。
(は……ぁ……!?容赦無さすぎだろう……!?)
続いてスカルヘッドの右の視界が闇に覆われる。
「何事」、考える事は出来なかった。
もし、スカルヘッドに普段通りの感覚があったなら、悲鳴を上げて地面にのたうち回っていただろう。
日田がその右腕で、スカルヘッドの顔面にパンチを打ち込んだのだ。
日田のマグマで出来た腕は、ズヌュリとスカルヘッドの頑強な頭蓋骨を溶かし、脳味噌を、顔の右半分を焼き尽くす。
(は……はは……救われねぇ………)
顔面の半分を焼かれ、瀕死の状態のスカルヘッドの残る左目に写っていたのは、かつて、自らが体験してきた数々の思い出だった。いじめられた記憶が大半を閉めていたその光景。その中で一つ、異端な物があった。
幼稚園位の頃だろうか。父親とベランダで座り、外を何となく見ていた、夏の終わり。その時、父親が何と無く言っていた、言葉。
(なぁ、「らん」……。お前、大きくなったら何か「目標」を見つけろよ………。「目標」ってのは、いわば人の心の「骨」だ。大きく、硬く、強いほど、その人間は「揺らが」ない。真っ直ぐ、自分を貫ける。………父さんは目標が無かったから……こんな事になっちまっているのかなぁ………)
(いじめられて……復讐して………、目標……いじめられてる奴等を助けようと………。そんなやつが人のために動こうと思ったら……これだ……。)
スカルヘッドにはわかった。今、後ろにいる男が自分の首を切り裂かんと刀を振り抜き、その刃が首筋に当たろうとしている事を。
(は……はは………。ふざけんな………。)
「…………きゃ……」
「何?」
「ぎゃらけんりゃあぁぁ!!!」
顔の半分が無くなった今、声が出たのが不思議だった。
「おばれねぇ!!おりゃつぶってあぁるぁぁあ!!!」
言葉にならない絶叫が、吐き出されていた。
(俺の「目標」はぁ!!心は!!そんな柔い物じゃない!!簡単にぃぃ!!折れたりは……しない!!)
そう言ってやりたかった。
言ってやりたかったんだ。
(は……は…………)
首が飛んだら、そんなことも言えないか。
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