スカルヘッド4-4
森の中には、何か鋭利な刃物かなにかで草木を切り裂き、簡単に作られた獣道のような物が出来ていた。おそらく堂島隊の面々が作った物だろう。
日田達も、それを使わせてもらう事にした。
そして、その道を進んで行くと、一つの廃墟に出た。
そこから、堂島隊の死闘の痕跡が、生々しく現れ始める。
廃墟の周りにある巨木の何本かは何か巨大な鞭で薙ぎ払われたようにして倒れている物もあれば、断面が黒く焦げ、中心の辺りでぶっつりと折れている物もある。
そして、日田と黒瀬は廃墟の周りを捜索する中で、あるものを見つけた。
道だ。
廃墟の真後ろにあり、日田達がやって来た獣道と廃墟を挟むような形になっている。
そこまでならば、誰か地域の森好きの人間が、趣味で作った………、と言う可能性もあったかもしれない。
だが、その道には、圧倒的にその可能性を潰す物があった。地面に筆を引きずったように、赤く、乾燥し始めた血の矢印が、挑発するかのように書き殴られていた。
「………まぁ、進むしか無いよな………」
日田は小さく呟くと、血の矢印に誘導される様に、黒瀬とその道を進んでいった。
少し上り坂になっていた道を進むと、少し開けた場所に出た。
そこには、巨大な何かの脱け殻の様な物が横たわっており、その上に、何かが座っている。人型の何か。
日田は、座っている人型の「何か」を見て、直ぐに人では無いと確信した。
普通の「人間」とは、何かが違う。
確かに、見てくれはほとんど「人間」。しかし、まとっている空気感と言うか、何かが人とは確かにずれている。
「お前が………スカルヘッドか……?」
自然と日田の口から、その言葉が出ていた。
その言葉が聞こえたのか、脱け殻の上に座っている「何か」………ギタイはゆっくりと顔を上げ、一言。
「………ああ」
瞬間、日田は自分の後ろで一迅の風が起こったのを感じた。
日田は肌でその風を感じ、そして見た。
日田の後ろに居た黒瀬が、腰に構えていた「黒烏」を抜刀し、スカルヘッドに斬りかかった光景を。
黒瀬はスカルヘッドとの距離、高さをほとんど跳躍する事によって一瞬で詰め、黒烏を横に薙いだ。
普通のギタイならば、確実に命を刈り取られているはずであろうそれを、スカルヘッドは右腕から生成した大量の骨を盾の様に使うことで、止めた。
開始のゴングも、始めの合図もない「殺し合い」は、こうして始まったのだった。
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