スカルヘッド4-2
日田と黒瀬は、簡素な白い扉の前に立っていた。扉には、木の板が吊るされており、そこに「会長」と書かれている。
扉は、同色の廊下の色に上手く溶け込み、注意深く観察しないと気付かないほど。パッと見、廊下の壁に木の板が吊るしているだけにも見える。
そんな扉の前に、日田と黒瀬は、異様に良い姿勢で立っていた。
「いや……すいません、日田君。君が本部で迷いやすいのを忘れてました」
「ああ……。つーか、それはもういいよ……。問題はそのせいで予定の時刻を二時間オーバーしてる事だ……」
「………まぁ……、軽く「死」位は覚悟しといたほうが良いかも知れませんね……」
「マネキン」と戦った時でも、これほどの緊張感は無かった。
扉をノックして開けるのが酷く憂鬱。出来ればこのまま帰りたい………。
「……うっし!行くか!!」
そして先に腹を括ったのは、日田であった。
右手でコンコンコン、と扉を三度ノック。
「……どうぞ」
若い男の声が中から聞こえた。
「………失礼します」
その声を確認し、ゆっくり扉を開け、一歩、足を部屋に踏み入れる。
数分、この一歩を出す事を躊躇い、逃げようとした。
そして……その結果が
「3ヶ月間の減給です」
「「…………」」
日田達の元にやって来るはずだった金が、死んだ。
「二十歳にもなって時間が守れないとは………。」
はぁ………。と大きなため息をこれ見よがしに付きながら、大きく首を降る男が、日田達に、そう告げた。
眼鏡をかけ、髪はストレートに整えた黒スーツの男性は、それだけ言うと、部屋から出ていった。
「全く……相変わらず時間の鬼だな……。五田の野郎は……」
「まぁ、時間を守らなかったのはどんな理由があれこちらですし……。どうやら、会長は不在の様ですね。応接用の机の上に、任務の資料があります。」
「はぁ!?あの爺さん、あっちから呼び出しといて自分は居ねぇのかよ!仕事だけ寄越しやがって!ふざけんな!……仕事くらい自分の手で渡せってんだ」
「ま……まぁまぁ。おそらく「ギタイ」の討伐で留守なのでしょうから。仕事ですよ、会長も」
黒瀬は日田をなだめながらも、机の上にある資料を手に取り、目を通す。
「………日田君、今回の任務、一筋縄では行かないかも知れませんよ………」
「あ……?何でだ?」
「今回の討伐対象は「スカルヘッド」ステージ4………。つい先日、堂島隊を壊滅させたばかりのギタイですよ。」
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