スカルヘッド4-1
口田は口見から受け取った、黒雷の改造案の書かれた資料を見ながら、本部から出るため真っ白い廊下を引き返していた。
(こうして落ち着いて考えると………、本当に月島さん達がいなくなってしまった事を感じるな………)
口田が初めて本部に来たときは、堂島、月島、南沢と一緒に、任務の報告だった。
堂島が報告後に拉麺を食べたいと言い出し、それを月島が金の無駄だと言って容赦なく却下し、南沢は静かに携帯ゲームをしていた。
最初はこんな濃そうな人達とやっていけるかと不安だったが、何だかんだ居心地のよい場所に変わっていた。
(本当に………無くなってから気付くもの何だな……。)
月島さんが自分を少なからず見ていてくれて、認めてくれて居ることでさえ、気付かなかったのだ。
いつの間にか、心の中が、堂島達との思い出で一杯になっていた。
(あー………ヤバい……。何か泣きそうになってきた………)
口田は廊下の真ん中で立ち止まり、下を向いて涙を堪えた。
「………うっし!!行くか!!」
そう言うと口田は勢いよく顔を上げ、前を向いた。
そして、その目の前にあったのは、適度に鍛えられた逞しい胸板……。
「べっし!!」
そこに口田は顔面をぶつけ、仰け反ってしりもちを着いてしまう。
「………すまない、俺が不注意だった……。大丈夫か?」
「あ……僕もすいません……。ちょっと前を見てなくて……」
口田は立ち上がり、前に立っている男を見る。
身長は170センチ後半くらいだろうか。適度に鍛えられた体のおかげで、全くひ弱な印象は受けない。
そして何故か、室内であるのにも関わらず灰色のレインコートを着ている。フードもすっぽりと被ってだ。そのせいでか目元があまり見えず、少し不気味だ。
「それじゃあ、すまなかったな。………黒瀬の野郎……、置いていきやがって……。俺ここいつも迷うの知ってるだろあいつ……」
「………?誰なんだろう、あの人……」
口田は次第に遠ざかっていく男の後ろ姿をしばらく眺めていたが、元の方向に直り、歩き出した。
読んでいただきありがとうございます!
やっと主人公が戻って来ました。




