1『鍛冶師の皆さんにも忙死してもらいましょーか』
ガーチャ!ガーチャ!!!!!!
私は向こうではガチャが大好きだった。
1回、コンビニの食事くらいするお値段だったが……どのゲームでも大好きで大好きで、課金もバッチリして…
どのゲームでも血涙を零しながら天井まで回されたものです。
「……どうしたのさ、酷い顔だけど」
「……ナンデモナイデス」
そう、天井は当たり前で被りも当たり前。
ましてやワルスタでは結局★★★★装備は……買い取ったり、やりこんだ結果出来た、たくさんの仲の良い友人に譲ってもらった記憶『しか』無い。
一回も…一回も……いや一回位はあったかもしれない。あったと信じたい。
でもね………
-朱金魂の杖★★★★(詠唱速度-20%、魔法効果追加+1500)
※2セット効果 魔力+20
4セット効果 魔力+30
5セット効果 魔法の効果+15%
初回ガチャで10%の★4!しかも火力不足を悩んでる今最も魔法攻撃を高めてくれる武器を神引きしたことなんて無い!!!!!!!!
「…シャードさん、装備揃ったら私のガチャも回してくれません?」
「それだと魔職装備が出るんじゃないのかい。あれって回した人の装備が出るんだろ?」
「そうなんですよおおおおおお、その時が怖いいいいい」
「煩いよ、ちょっと落ち着きなよ」
五体投地で運勢の差に発狂する私の頭を軽く叩きながらも…隣に座るシャードさんの目は手に持った杖から離れない。
まあそうだよね、普通にこの世界初の朱金装備で魂装備だし。150装備だし色々と気になるよね。
「……すごいねこれ。一般の150装備よりも高性能なのにセット効果もついてるのか…」
「集めて見たくなったでしょ?」
「これは……そうだね、うん、欲しい意外の言葉は出ないかな」
武器に見惚れるシャードさんにふふふと笑いながら……じゃあ、どうしますか?と首を傾げる。
先にその杖をある程度強化するか
それとも他の部位を集めるか。
そう聞くとシャードさんは珍しく考え込んだ。どうやら答えが出ないようだ。
と、その時シャードさんの通信機が小さな音を立てた。そして、一瞬でシャードさんの表情が憤怒となり内容をこちらに見せてくる。
toシャード
title 秘密の花園のルイスさんだよ
本文
おーっす、蜜月中わりぃなー。
どうせお前はかわい子ちゃんとイチャイチャしててベッタリだろうなあ。お前が大人になれてお兄さんは嬉しいよ( ˆωˆ )でもいつまでもちゅっちゅしてないでお仕事手伝ってくれよー。じゃないとシャードは嫁さんとイチャイチャちゅっちゅしてて仕事手伝ってくれないって言いふらすぞ。
どっかのバカがアホみたいなポーション量を注文したせいで素材が足りないらしいんだわー。つうわけ素材取って来いってよー。個体数を狩るのはお前の得意分野だろ。
俺たちも注文したせいで完全にトルティアとルールーが切れてるらしいぜ。
前半の文章いる?
ってくらい完全にからかって煽っているが…
「ごめん、悪いんだけど、ちょっと狩りに行かないと」
完全にブチ切れているシャードさんは、その気になってはいるみたいなので効果はあるのだろう。普通に頼んでもやってくれそうではあるけど、通常時よりはやる気は高そうだ。
まあ、狩られるのがルイスさんなのか敵なのかは判断がつかないけど。
「手伝って欲しいんですよね?」
「……当たり前のこと聞かないでよ。君から目を離すなんて心配で嫌だからね」
おー、おー、ツンデレツンデレ。
怒りそのまま拗ねながら言う彼に、へにゃっと笑いながらそういえばと思い直す。
「料理人さん達はこの前渡したはちみつで軽食作りと新規開拓に忙しいんですよね」
「そう書いてあったよ」
「んで採掘者は祝福の花探しで忙しいんですよね」
「このメッセージのtitleからしてそうだろうね」
「で、錬金術の方はポーション作りで素材採取行けないくらい忙しいと」
「うん」
………ふむ。
「なら、シャードさんが駆り出される代わりに鍛冶師の皆さんにも忙死してもらいましょーか!」
久しぶりに頬に指を当ててキャピッと笑うと、シャードさんは青ざめて引いた。酷い、なんでだ。




