7『君が関わることは全部知りたい』
シャードさんが知っている情報は
-私が神に連れてこられた
-世界の立て直しを頼まれている
-色々な知識を持っている
-尋常じゃない知り合いがいる(エルダーさん)
この辺りだ。
どこまで話したもんかと思いつつ、考え込む。
「で?」
「あー、どこまで話したものかなって」
「全部だね。君が関わることは全部知りたい」
全部、全部かあ。
どうしようか?と首を傾げてみると……すぅうううっとシャードさんの瞳の瞳孔が縦に絞られていった。ちょ、さすがに怖い。
顔から目を逸らして、ぽふっと彼の肩に顎を載せる。
「世界の構成とかの話になっちゃいますよ」
「良いよ。君はどう関わってるの」
ポンポンとあやすように背中を叩かれて
はぁとため息をつく。
この世界には人間とモンスターと……世界を管理する人たちがいる。
人を生かすために無尽蔵に産み出されるモンスター
人を成長させるための試練や力を与える存在
そして、人が増長した場合……人を処分する存在。
「人が弱すぎて、採掘をやらなすぎてモンスターが溢れかえってバランスが壊れてるって、前言ったじゃないですかぁ」
「言ってたね」
「その崩れたバランスを今は各エリアのボスたちが抑えていてくれてるんですけど……モンスターが無尽蔵すぎて、各エリアの最奥が破綻しかけて来てるんですよ」
「この前やつみたいな存在が、余剰モンスターを間引いてくれてるってことかい?」
「そうそう。でも基本的には人の敵ですよ。世界のバランスのために間引いてるだけで人類のためにやってる訳じゃないので」
「…でも君は、敵認識されないと」
「私はシステム側の扱いらしいですよ。人を強くするために神が遣わした使徒ってことで。配慮もしてくれるし、助けてと言いやすくもあるらしいですね、実際彼等が倒れたら大変だから助けざる得ないですし」
はあああああああとどデカいため息をついて、ぎゅーぎゅーに抱き締められる。
「知ってたけど、とんでもないね君」
「……嫌いになられたら、さすがに辛いですね」
「それはないから大丈夫。僕は君のために何が出来るのか困ってるよ」
「そっち関連は何もしなくていいです。さっきの子は人への敵愾心は無かったみたいですけど…エリアボスの方々は人への敵意は高いので」
「…求められていないことは知ってる。でもなにかしたいんだ……君の力になるから……ずっと傍にいて。お願いだよ…」
か、
かわいーーーーー!!
説明をしながら若干システム側に引っ張られていた意識が、ぎゅーんと引き戻される。
ばっと顔を上げてシャードさんを見れば
頬を染めて
唇は少しとがってて
瞳孔はまん丸にひらいて、少し潤んでて。
胸がキュンキュンして、堪えきれずに首に手を回してちゅーーーーっとキスをした。
「っ、ちょ、ちょっと!」
「シャードさんもう可愛い!可愛すぎて、もう可愛い!」
ちゅ、ちゅ、ちゅっと唇と言わず顔中にキスをして
全力で愛でる。可愛い、別にこれ以上のこともしてるのに
狼狽えているのもすごく可愛い。
家の中じゃないけど誰も来ないし
ガチャマシンは置かれてるけどモンスターもいないし
いっそこのまま押し倒しちゃおうかな。
猛攻から逃れて、床に倒れたシャードさんを見下ろす。
食べる気満々で、ゆっくりもう一度キスをしようと顔を近づけるとーーーーーー
『ドスン』
すぐ近くに何かが落ちてきた。
「………」
「………」
すぐそこ、ちょっと手を伸ばせば届く位置
そんな場所に、先程にはなかった石碑が置かれていた。
「………」
アイツ(神)、本当に余計なことするな




