10『無理せず日帰りでもいいと思います』
「それなら多分僕の方が詳しいよ」
この世界でずっと無茶な狩りをし続けていたシャードさんの方だ。そう示すように、空いた方の手でシャードさんを指さして笑う。
「そうなのか?」
「正直、今回のみんなの動きを見てたけどそりゃ疲れるし、疲れも抜けないよねって思うようなことばっかりだったよ」
そして人嫌いシャードさんによる
効率的な狩りのレクチャーが始まった。
「まず全員無駄にパーティを組みすぎてる。あそこの敵なんか全員安全に倒せる程度なんだから、一緒にくっついて狩る必要、ないだろ」
ああ、なるほど。みんなくっついていたから狩り効率が悪かったのか。
「全員がくっついているせいで周囲の敵がいなくなって移動する。この時点で戦闘以外に移動距離が長くなって疲れる。
ああいう場所ではエリアを分けて一人で行動して、1方向ずつ倒せば敵の方からよってくるタイミング次第では1歩も動かないで連続で狩りができる。
敵の襲撃の方が早い場合は壁を背にすれば来る方向を減らせるし、壁が無理なら2人1組で背中合わせに戦えばいい
それから一人が疲れを見せたら全員休む、これも時間の無駄だし、ゆっくり座ったりして休むならクッキーとか食べた方が余程効率がいいよ。
さらにいえば疲労を自覚する前につまめば止まる必要性も無いし、適度な補給で空腹にもならないから昼食の必要性もない。
かと言って同じもので補給をし続けると飽きて来るからある程度色々な種類で、疲労回復効果が高いものを発掘した方がいい。
ちなみに食料での疲労回復は人によって好みと相性があるのでそこは色々食べ歩いた方がいいよ。
それから家でガッツリ休む時は回復効果の高い寝台、香りなどにもこだわった方がいい。毛布もきちんとしたものの方が効果が高いからフィールドで休憩する時は膝にかけるとかもありだよ。
ちなみにお風呂が理想だけどダメならシャワーや身体を拭くだけでもした方がいい。汚れと一緒に身体がさっぱりするから」
怒涛のダメだしのラッシュに
ルルティアさんのうでも止まり全員が呆然と、無表情で淡々と語るシャードさんを見つめる。
シャードさんはレベルにふさわしく、努力の人だ。それは敵を倒す方法だけでなく、体調管理なども徹底している。
彼はそれを乱されるのが嫌いだから、誰かと行動するのが嫌いなんだそうだ。
私は例外枠に収まった上、私も効率厨なので普通にそれを受け入れてるのでお付き合いする前も後も問題は起きてない。
「ちょ…っと待った!まて、メモする」
「2度も説明するとか面倒なんだけど」
「…ちなみにまだアドバイスはあるか、今回の狩りについて」
「……なんでも言っていいって言うなら、僕なら狩の人数を半分にして交代制で狩るかな。さすがの僕もあの戦闘時間はちょっと疲れるし連日はきついし。とはいえあれ以上人数を増やすと上の階に行く必要量が増えるから最大人数はあの数でいいと思うよ。ただ長くこもるなら祝福の花は余裕で足りないね。いつもの集団掃討と違って安全なフィールドに移動できないのが少し面倒だとはあ思ったよ」
ちょっと黄昏てるルイスさんに苦笑いを浮かべて、さすがにフォローを入れるかと魔道具をオフにする。
「とはいえ、シャードさんの言ってるのはある種極めたものなので…全部は無理でも効果が高いものをチョイスすればいいんじゃないですか?PTの人数を減らすとか、交代制とか、お風呂とか、軽食の種類を整えるとか。そもそも一階は入場が簡単なので無理せず日帰りでもいいと思いますし」
「君はきつい?」
「全然?むしろさすがの効率だと感心してるよ」
「ならいいけど」
そして色々考え込んだルイスさん。
シャードさんの言葉は『参考程度に』と今回のレイドルームに公開されて、他の人たちからの要望なども吸い上げて。
次の魂の挑戦は1週間後になったので
そのまえに私とシャードさんは一度二人で行ってみようかということになった。
もちろん今回の魂の欠片は全部渡して、今夜はここで初めにライト村で夜更かしした時のように…無理せず採取だ。
廃人プレイの許可がシャードさんからおりたぞー!やったあ!




