9『私、お風呂を買うことにしたわ』
「今日の狩りは中止で、このまま外に脱出することにする」
翌朝、ヤシロさんはそう決断をした。
まあそうだよね。カティさんとルールーさんは昨夜お風呂に連れ込んだので回復しているほうだが……他全員の疲労の色がありありと出ていて、すごくやばそうだ。
「ルイスには許可をとってある。全員悪いがいすずに魂の欠片を預けて今日はゆっくり休んでくれ」
「私ですか?ヤシロさんが持つんじゃないんですか?」
「1000超えの量を持てるわけがないだろ」
「あ、なるほどー。じゃあ預かります」
そいつは仕方ないね。1400とか14回もガチャをまわせるな…とウキウキするけれど大人しく預かる。
「……私、お風呂を買うことにしたわ」
「本当、あれは衝撃だったわあ」
「俺も気になるから,パーティで共同風呂買えないか聞いてみるわ」
途中カティさん、ルールーさん、ジャッソさんがそんなことを言うのを苦笑いを浮かべながらも布教をして……そのまま私たちは外に出た。
「いすず、ちょっといいか?このまま秘密の花園に付き合ってくれるか?」
「まだ元気だから良いですよ」
「俺たちはそのへんももしかしたらいすずに教えてもらわないとダメかもな」
そう苦笑いを浮かべるヤシロさんもかなりぐったりしていてシャードさんと3人で秘密の花園へ向かう。
そこには泊まり込んだらしいルイスさんとルルティアさんが朝も早くから採取に勤しんでいた。
「おう、おはよう。で、何があった?続行不可能だから中断するってーのと、怪我人は居ないとしか連絡来てないが……報告を頼む」
2人の家の横にシャードさんが家を置いたので
中から椅子を持って出て花園において座る。
そしてヤシロさんの説明が終わるまで…消音の魔道具を使って淡々とはちみつx祝福の花採取を行う。
「休まなくて大丈夫?」
こくこく
疲労をためないために椅子に座って撃ってるし大丈夫。そういう意志を込めて頷くと、シャードさんは頷いてから隣に椅子を持ってきて座った。
そんな私たちを見てルルティアさんは羨ましそうにしたが……ムチはしっかりした状態で持たないとうまく操れないのか、しょんぼりしながら花園にムチをふるっていく。
「という感じで全員が疲れすぎて、話にならないので休ませるために解散してきた。破片は全部いすずが集めて持っている」
「そいつは……みんな頑張ったな。俺の見通しが悪すぎたな、悪い」
そういうとルイスさんはすぐに通信機で今回参加したメンバーのグループを作り、メンバーを労いだした。
『狩り班のみんな、お疲れ様。俺がいない間にだいぶ頑張ってくれたみたいで助かった、今日はゆっくり休んでくれ(ルイス)』
『マスター、悪いな……だいぶ疲れたわ(カイン)』
『あんなずっと休めないのはきついな(ドロイ)』
『ねね、いすずちゃんに貰ったお菓子とかってどこで買えるのか聞いても平気?あれ、すごい身体に染みたのよねえ(カティ)』
『本当に!お風呂やばかったわ。もう私入浴に目覚めちゃって今トルティアとカティを誘って温泉に入ってるもの(ルールー)』
『おふろさいこうですぅ。お姉ちゃんも終わったら来なよー(トルティア)』
どうやら女性陣は風呂沼にハマったようだ。女性陣で盛り上がっていてルルティアさんが悔しそうにしている。
というかトルティアさんとルルティアさんって姉妹なんだね。
「風呂???」
「それでマスター、提案なんだが……この風呂を含め、いすずは疲労を取るということに詳しそうだ。1回でそのへんが大丈夫そうなら聞いた方がいいんじゃないかと思う。正直俺達より動き回ってるのにこいつら全然疲労が溜まってないからなにかあるんじゃないかなと…」
ヤシロさんがそういうと、ルイスさんの視線がどうなんだとこっちに向く。
まあ、少なくともヤシロさんよりは詳しいけど……その話の適任はこの世界に来て数ヶ月の私ではない。




