9『悪い、俺たちのスタミナ不足だ』
「ごめんかわい子ちゃん、申し訳ないんだけどしばらく指輪探しはストップさせて欲しいんだ」
「え、何かありましたか?」
「何か…あったといえば…あったというか…」
きょとんと首を傾げると…ヤシロさんが手を挙げた。
「悪い、俺たちのスタミナ不足だ」
「ほえ?」
聞けばスキレベ上げツアーと採掘護衛で疲れ果ててダウンする人が増え
幹部に動ける人が減り
仕事が回らなくなったらしい。
あの程度で、と思ったけれどどうやらマジらしい。
「指輪の採掘は過酷すぎた。それを1日1個も出してくれて感謝しかないけど……常に全力疾走を3時間はさすがにそれだけもキツすぎるんだ。それが4セット、毎日4人潰れて行ってる」
「ですの?」
「僕はいつも無理しない程度に君のこと止めてたし、僕自身も数時間狩りをやりっぱなしなんてよくやるタイプだからね。だから僕だけレベル145とか飛び出してるわけだから、僕と一緒にしちゃダメに決まってるだろ」
「そうですかあ」
ついていけないかあ。ちょっとしょんぼりしながらも……まあ廃人と一般人は一緒にしちゃいけないよねと納得をする。というかシャードさん最後に確認した時よりもだいぶレベルが上がってるなあ。二次職業になって狩効率とかいろいろ上がったから楽しいんだろうな。
そう言われてよく見てみれば、ルイスさんもヤシロさんもルルティアさんも…シャードさんもどこかボロボロでちょっとやつれて見える。
「ちょうど2次職になれたやつも3人でたしね、新クラスを色々試してみたいだろうしここらで1回インターバルを挟んでいいんじゃないの。君も倉庫欲しかったでしょ。倉庫をいくつか買って、デイリークエストのをいくつか倉庫いっぱいに貯めてもいいんじゃない。僕の在庫もそろそろ補充したい頃合だし」
「……アリですね」
その提案は全然アリだと思う
でも
そうした方がいい!!と全力で頷いている人が数人見えるのはどうかと思うけどね。
「ああ、じゃあ色々してもらっていた精算をそろそろするか。かわい子ちゃんにはアイテムに、情報提供に、あとこの指輪。いくらの値段をつけて払っていいものかわからなかったけど今後のことも踏まえて50金貨を用意させてもらった」
「……随分張り切ったね」
「正直、転職情報を売るだけでこの数十倍は稼げるからな。かわい子ちゃん、情報の外部へのリークはどうする?」
「それはもう、知的なマスターにお任せします!私だと……ちょっと、望まない干渉が入りそうなので」
今も思考の隅になるべく早く全ての人間を育て上げて…とかいう意思はチラついている。
………だけどそれは私のやりたいことじゃない。だから完全にルイスさんに丸投げして私は干渉を避けるのだ。
「……なあヤシロ、クランマスターかわんね?」
「俺程度ではとても、世界を左右するクランの頭は出来ません」
「シャードは?」
「僕、他人と関わるの嫌いだから」
「そういえばそんなやつだったよお前も...!かわい子ちゃんは…」
「え?今から48時間耐久採掘イッちゃいますぅ?」
「ダメだクランメンバー使い潰される。はあ、しゃーねえなあ、采配ミスったら手伝えよお前ら」
「「「「イエスボス」」」」




