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ワールド★スター『神様が再現失敗した世界の立て直し』  作者: 海華
鉱山採掘

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207/219

7『いすず先生!』



ああ、これは夢だ。


私の目の前で……真っ白に染色された着物を着込んだ3名のバカ男が正座をしている。


私はこれを知っている。これは実際にあった出来事だが……当時のワルスタは当然の事ながらパソコンゲームで、可愛らしいアイコンのようなキャラが動いていたのであって…こんな実写は知らないはずだが……3名の男達はその見た目で誰なのか容易にわかる。



ハニワ顔の女キャラは『キューティハニ男』

『一球入魂』と書かれたハチマキをつけている男キャラは『夕凪一塁』

猫耳の男性は私の友人の中で最も廃課金をしていた『猫三郎改』



というかハニワ顔って実写で見ると……ホラーゲームテイストですごく怖い。

そんな私の感想をよそに、場面は知っている展開へと変わっていく。



「それで…一応聞くけどなんで私は呼ばれたの?」



『夕凪いすず』が不機嫌そうに言うと、場の全員は揃ってひれ伏して土下座を始めた。

不機嫌そうじゃないな。この時の私は寝てるところをバカ一塁に着信鬼コールで起こされて本気で不機嫌だった。


そう、この時はワルスタの公式で1周年記念でオフラインイベントを行うと告知されたあとの出来事だった。みんなで公開された情報に盛り上がっていつもより寝る時間が遅くなって、やっと寝れた30分後の出来事だったか?


オンラインでは買えない貴重なアイテムの目録が出た瞬間、よく遊んでる彼らに呼び出されたのだ。


「お願いしますいすず先生!北海道からじゃ旅費がやばいんです、先生の交通費は出しますのでオフラインイベントで経験値、スキル3倍マンスリーカードを3枚づつと幻獣のカードを2枚、計4万円分を代理購入してください!!!」


まずそう言ったのは『キューティハニ男』

そしてハニ男が言い切り、その後の展開を察した当時の私が視線を隣の『猫三郎改』に送ると今度は彼が叫び出した。


「熊本からだと有給も数日取らないとで辛いんですたい!ばってんわし行けんたい。なので経験値、スキル3倍カードを6枚づつと幻獣のカードを5枚、ランダムカードを12ボックス、計約10万円分を買って欲しいたい。いすず先生の三食食事代は出すのでお願いします!!」


お前の熊本弁初めて聞いたが!?

そんな衝撃も薄れるような恐怖の買い物量に震えが走る。

オンライン上でしか知らない、顔も知らない相手に頼むようなお使いのレベルでは無い。


……ここまで来ればパートナーの一塁の言葉は薄々察しが着いた。

だが、そんな察しの上をつくのが私の相棒だった。


「いすず先生!僕、パプアニューギニアの人間なんで東京ワカリマセン!なので僕の道案内をしてくれませんか?」


「黙れ静岡県だろ。パプア君は一人で行け」


重課金からのお使い依頼

廃課金からのお使い依頼

そこに混ざり込むまさかの、リアル一緒に行ってください


別に一塁に現実で会うことへの不安は微塵もない。友人関係で半年、相棒になってさらに半年。他の男性なら…それこそハニ男や猫三郎改と2人っきりで会うことはさすがに躊躇いを感じるけれど、一塁ならばバカだし別にいいかな…というか現実でもこの人迷子になるのかと言う、1人で行かせて平気かっていう若干の不安さえ感じてきた。


「だってー、俺絶対に迷子になるって。というか高校の時夢のネズミ王国に行く時迷子になって埼玉行っちゃったもん」


「と、一塁がこんな感じなので拙者等は他に大金を任せられる友人に宛がなくいすず先生に頼るしか無くなったでござる」


「俺も猫先生ほどぶっ飛んではないけどさすがに5万はなあ……行くって言う友人はちらほら居るけど、さすがに…ねえ」


迷子は置いといて、それでもこの2人だけで15万である。私の分も入れたらほぼ20万。これはさすがに怖い、私の月収クラスのお使い……。

着服なんてする気もないけれど流石に額が額なので躊躇っていると、3人が慌ててアピールを始めた。


「ちなみに購入制限がないのは確認済みでござる。友人に委託購入も問題ないって電話で問い合せたので大丈夫でござるよ!」


「そうそう、アイテムカードのリアル発送は一塁が封筒とか用意するって言ってるし、買ったら即封入でポストインしてくれるそうだからいすず先生の住所バレとかはしないで済むよ」


「もし買うのが大変なら俺も手伝うから……」


「「「お願いします」」」


3人はそう言って……全員揃って土下座をした。

……だいぶ悩んだけれど、私が逆の立場なら私も頼むだろうし……

しょうがない。

ふっと笑ってハニ男と猫三郎改の頭を軽く叩き、一塁の頭は容赦なくはっ倒す。


パンパンゴスッ


「今度北海道、九州でオフラインイベントやる時は代わりに買って下さいよね」


「「わかった!ありがとう!ありがとう!」」


「なんで俺だけ音が違うの!?」


それは古い記憶の中でも、特に覚えている記憶のひとつ。

結局この4人は半固定のように…パーティプレイが必須の攻略では気があったのでよくつるんでいたし……ワルスタサービス終了後は別ゲーまで一緒に移籍もした。


ああ、懐かしいな…


…この3人も居ればこの世界は楽しかっただろうな…………とは、思ってもいけない。


ハニ男も猫三郎改も結婚してゲームを引退したし


一塁は………………




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