7『情報が漏れだした』
sideシャード
正直今生きているのが不思議なくらいの体験だった。その後瀕死のいすずのやらかしによって、シャリア殿の居城での待遇は格段に良くなったが…正直いすずが泊まらないと言ったことにはほっとした。
あんな場所命がいくつあっても足りない。
『つうわけでわりぃ、情報が漏れだした』
「……2ヶ月?よく持った方だと思うよ。しかもまだ確信は漏れてないんだろ?」
『ああ。孤児たちが冒険者に絡まれてる程度だ。だがクレームを出したが相手がな……』
「ピークウェイね…あそこ厄介なんだよね。大手だからって何でもしてもいいって思ってるから凄い強引なんだよね」
上位クランのピークウェイ。
数、質共に最大手だが……それを傘に強引な手を他クランにすると悪い意味でも評判のクランだ。
かくいう僕も一時期悪質な勧誘を受けた、移籍しろ、パーティを組めって。
「子供たちは無事なの?」
『ああ。無事だし落とし前はつけさせた……だが最近余剰菓子を外に売り出して、面倒見てる孤児たちにまでも菓子を与えてるってなにかしてるよな、なのにポーションを買い集めるくらい余裕が無いんですねってもう腹を探らられまくりだ』
「あー……ね?子供たち攫われかねないからきをつけなよ」
『そこはそこ、護衛もつけてるしうちのバックのお貴族様もかなり睨んでくれてるから何とかなると思うが…正直とても動きにくい。うちとルルティアもちょっと『魂の欠片』集めてんだけど、集団で隠れて何やってるんだって見張られてて数人ずつしか行けてねえわ』
「ん……」
煩かったか。身動ぎをするいすずの背を軽く叩くとぼんやりと目が開いて…小声で寝てていいよと言うとふにゃっと笑って再び目は閉じられた。
いつもの元気なのも強そうなのも良いけれど、僕しか見れないこのふにゃふにゃに溶けたいすずも堪らない。
でも……目は腫れてたな。ちゃんと起きたら冷やすためにタオルが必要かもしれない。
『だからよ、護衛がパンクするからしばらくライト村に来ないでくれっつーのが1個目』
「……いすずが残念がるね」
『んで、明後日の魂の討伐集団戦は一旦保留で。買い込みとかで負債が出てるなら立て替えるぞ?』
「買ったのは消耗品だから大丈夫。むしろ色々売ったもので最近貯金がゾッとする額になってきたんだけど」
『そいつは嬉しい悲鳴だな。今トットに居るんだろ?せっかくならデートでもしていすずに服でも買ってやれば?トットの絹織物は質がいいからな』
デート。
いつも2人1緒にいるけど…デート…なん
て…生まれてこの方したことが無い。
服。
必要なものもねだられた物も買い与えてるが…いすずが着てる装備も夜のパジャマも僕があげたが…防御力皆無のオシャレ服を着たいすずを見た事がない。
むしろ僕も着る機会がなくて倉庫に入れっぱなしだ……いや、僕はそれでもまだ持ってるが…いすずは持ってすらいないような気がする。
普通の恋人同士がやったり一般の人ですら持ってる物を持ってない…あれこれ、やばいんじゃないか。いすずと触れてるところは暖かいのに急に背中が寒くなってきた。
これはやらかしているかもしれない。
でも…生憎僕には普通のデートが分からない。
「……ルイス、ちょっと質問があるんだけど…」
それでも
この時ルイスに相談したのは血迷っていたんだ。
いすず並に人をからかってくるルイスは、僕にとって1番相談してはいけないことだった。




