8『あれ、シャード?』
「……これ普通に出るのか。★4じゃないか…」
「いすずいわく確定は★3で、★4は10%程度だよ。これ見た瞬間地面に寝転んで暴れてたから相当幸運だったんじゃないの」
そんなレベルじゃないから!!!
そう叫ぶ彼女の様子がありありと想像が着いて…笑みがこぼれる。
「これ150でしょ〜、100のは無いの?」
「100は無いね。僕は使わないしいすずも今から5箇所分の強化素材集めるなら僕の装備を集めてから、自分の150を集めるってさ。2人分集めたら150なんてすぐだよって笑ってたよ」
「…ちょっと、それお嫁ちゃん大丈夫なの?彼女まだ120くらいでしょ?」
「30もレベルが下だとまともに戦えないだろ……守りながら戦えるのか?危険ならしばらくうちのPTで預かってもいいが…」
守りながら……?危ない…?
『トリプルショット』あ、落ちましたよー?
容赦なく敵を撃ち抜いて嬉しそうな彼女を思い浮かべ……首を傾げる。全然余裕でまともに戦えている。むしろ…
「これは悔しいけど、攻撃力だけなら僕よりいすずの方が高いけど?」
「はあ!?」
「そうなの!?」
「ああ、君たち格下相手か採取風景しか見てないからね。いすずは僕並みの範囲攻撃で、僕以上の攻撃力だよ。HPとかMPとかは低いから攻撃されたら危ないけど、そもそも遠距離の使い手だから近寄らせないし一発で倒せない相手は基本相手にしないよ」
機動力、長時間活動の耐久力もかなり高い。
さすがにレベル差で僕の方が強いが……それでもルイスなど普通の冒険者に比べると活動持続時間の差は明らかだ。
「…採取も戦闘も強いって、ずるすぎんだろ」
「……うちで預かっても足を引っ張るだけねぇ」
「だろうね。いすずの動きについていけなかったのはヤシロで確認済みだろ」
溜息をつきながら……ルイスは改めて資料を読み込む。ルルティアは諦めたのか水晶鞭で採取を再開した。
「…俺もお前たちみたいに150集めてるうちにレベル上げられるって言えりゃいいんだけどな……あー最悪だな。100だと今更だが、150は無理すぎる。そもそもお前らなしで24のボスがきついだろうなあ」
「……僕といすずの分の魂の欠片を集めてくれるなら代わりに倒してもいいよ。1度25階まで行けばガチャとやらが開放されるから1人くらい行けるようにしといたら100装備は集めやすいんじゃないの。ただ見返りとして、もしボスからアクセが落ちたら譲って欲しいな。積極的に狩らないけどいすずが興味示してたから」
「うちのクランで装備が薄いのは……魔職系か。幹部じゃないとさすがに揉めるから、リリを送るかリトルに頼むか……いやでも魔職だけだとメリットが薄くなって物理職が付き合わないな…2人送り込んでまずは25階までを安全に開拓して……」
ソレはルイスが資料に夢中になり
ルルティアが採取に夢中になっている、そんな時に起きた。
モンスターの絶対湧かない安全地帯。たしかに油断はしていた。
人以外の存在に襲われることは無い、と。
僕は知っていたはずなのに。村まで来たモンスターを。安全地帯まで来たモンスターを。
『ーーーーーーお前が『選ばれし者』だな』
「……とりあえずシャード…って、あれ、シャード?」
2人の意識が僕から離れた瞬間。
僕は気配も感じない存在に……抵抗も出来ず攫われた。




