7『嫁ちゃんに噛まれてはあはあしてる』
結局私の猛攻はメタルリザードが再度湧くまで続き
「……君、本当は獣人の類だったのかい……」
諦めて座ったシャードさんの膝の上で
差し出された腕を噛んだまま横の壁を撃っている。
「悪いねドーン、リリ」
「いや……まあこっちの方がありがたいな」
「ええ。イチャついてるのを見させられてるほうが……ねぇ」
シャードさんが固定砲台になったのでドーンさんが色々と調整をしてくれている。
なんかよくわからないけど、ドーンさんとリリさんはこの状態の方がいいらしい。
……落ち着いて頭が冷えてくるとちょっと恥ずかしい。そんな私と裏腹でシャードさんはどんどん喜んでる。竜人の性はドMだ!!
疲れて噛む力が落ちてきたのもあって落ち着いてきたことに気づいたのか……さらに密着するように抱き込まれてそっと耳に唇を寄せられる。
また噛まれるのかと身構えると「噛まないよ」と耳元で囁かれた。
「君、さっき人の気配じゃなかった。威圧感もあって、2人が引いてたんだよ」
その言葉に目を瞬かせて……その直前を思い出して、あーっと声にならない声が出る。消音の魔道具でそもそも聞こえないけれど。
なるほど、シャリアさんに会いに行こうとか色々考えて居たから……引っ張られたか。
コソコソと魔道具を切って、私からも顔を寄せて秘密会話をする。
「そんなでしたか?」
「うん、威圧感と神秘感が混ざっているというか…無視できない、恐怖を抱くような気配だった。だから引き戻してあげたんだけど?」
「それはまあ、ごめんさい。ありがとうございます」
「結果的に役得だからいいけどね」
ぎゅーっと抱きしめられて、すりすりと甘え返す。
……本当、ダメだな。シャードさんには甘えっきりだ。
「おーい、シャード。ルイスが現状を聞いていたから『嫁ちゃんに噛まれてはあはあしてる』って伝えといたぞー」
「『メタルリザードの前で抱き合ってイチャイチャしてる』とも言っといたわー」
「ちょ、君たち!何教えてるのさ!」
「「事実だな」」
sideシャード
「それで?色ボケしてたって訳か」
「彼女、無意識でやらかすから止めただけだし」
出来上がった双剣と鞭を渡しに行くと、ルイスは疲れきったのかその場に座り込んだ。
「それを止められるのはさすがだけど、目の前でいちゃつかれるのもきついわよね〜」
「それはまあ、悪かったよ」
「でー?その嫁はどうしたよ。なんでわざわざ別行動?」
「ちょっと君に話があったからね」
『ちょっと不死エリアのボスに話があるので行ってきますねー!』
そう言っていすずに置いていかれたわけでは決してない。
インベントリから…空き時間を使ってまとめた『魂の試練』の資料を出すと、ルイスはだらけながらも内容を確認しだした。
「おー、結構登ったんだな……ふーん」
「欲にくらんで行き過ぎたら、安全地帯に移動しにくいから普通に危ないからね。当日フォローするにも限りがあるからそれなら事前に情報を共有しとくよ」
「助かる。ちなみに限定装備とやらも手に入れたのか?使える感じか?」
「……正直やばいね。一応150装備はある程度作成してたけど…作ったことを後悔してるくらいだよ」
隠す訳でもないので、2本の装備を見せる。
-朱金魂の杖★★★★(詠唱速度-20%、魔法効果追加+1500)
※2セット効果 魔力+20
4セット効果 魔力+30
5セット効果 魔法の効果+15%
-賢者の杖★★(詠唱速度15%,魔法効果追加+1000)
150レベルの装備は銀を多量に使うため作りにくく、全然★★★が出来ず……行き詰まっていた。
だが、少なくない数の製造はした。
ーーーーその素材をとっといて、朱金魂の杖の強化に当てれば良かったと正直後悔をしている。
そんなかっこ悪いところ、いすずには見させられないけれど。




