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俺だけ生配信中なんだが? 〜生配信中に異世界転移してしまった結果、配信切れなくなった件〜  作者: 【星願大聖】永福
第一回・VTuber異世界転移してしまう

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『ラーザさんならメメジェット氏もついてきてお得だよw』

 ◁

 現在、女性陣+ネカマがチーム分けを巡って喧嘩中。 何であんな喧嘩が勃発したのかは知らないが、俺とサラーマさんは蚊帳の外に出されたためにシーナイの街をデート中だ。

 

「にしてもよ、シリス様の体を十四個同時に提出してセフメト様復活を阻止するんなら、俺達レベル上げを必死にする必要ねえんじゃねえか?」

 

「何言ってんすかサラーマさん。 どちらにせよシリスの……シリス様の体集めに高難易度ダンジョン行かないといけないからレベリングは必須だし、もしセフメトが復活した時俺達のレベルが低くて瞬殺されたらどうするんです? まんまとくたばったら後悔してもしきれないでしょ」

 

「それもそうだよな」

 

 そう、このレベリングツアーは今後の俺達の行動を左右する重要な項目なのだ。 故にチームを二つに分けると言う重要性は複数ある。

 

 前提としてセフメトイベント対策としてあげられたのは三つ。

 

 ・シリスの体を十四個同時に提出する。

 ・太陽神レアーの怒りを沈めてセフメトを復活させない

 ・手動でセフメトを復活させて、強くなる前に始末する。

 

 まず一つ目、シリスの体十四個同時提出に関して、これは他のプレーヤーが転移している以上収集する手を早めなければ先を越される心配がある。

 

 現にすでに五つもシリスの体が提出されているのだ、もたもたしていたら他の九個もすぐに提出されてしまうだろう。

 

 そうなったら俺達はレベリングが完了していない不完全な状態でセフメトと戦わなければならないため、勝率は限りなく低くなってしまう。

 

「なるほどな、だからチームを二つに分けて、レベリングとシリス様の体集めを同時進行しようってつもりなのか」

 

「そうなると収集チームにはホープさんが適任になるでしょうね」

 

「なんでだ? 確かにあいつはそこら辺の事情に詳しいかもしれないが、知識量なら妹のほうが上だった気がするぞ?」

 

「固有スキルの問題っすよ」

 

 そう、ホープさんの固有スキルは自己複製顕現ドッペルゲンガー。 サブ垢を召喚して実体分身する事が可能なのだ。

 

 これを使えば複数のダンジョンへ自らの分身体を送ることができ、それぞれのダンジョンに入るためのクエストをあらかじめクリアするといった力技も可能。

 

 ネカマの分身体が行動する際は、ホープさんがこのゲームを遊んでいた時のプレー傾向を参照にしているらしい。 試しにハートちゃんが分身体とサシで戦ったみたいだが、かなり手強かったと言っていた。

 

 ハートちゃんですら手強いと称するほどの実力を持っていれば、戦闘力は申し分ないだろう。

 

「でもよ、シリス様の体集めにあのおっぱいウィザードを向かわせるとして、他のチームはレベリングに没頭するわけだろ? そしたらレアー様の怒りを鎮めるっていう二つ目の作戦はどうするんだよ」

 

「そっちは急がなくてもできるでしょ。 前提としてシリス様の体十個提出した際にイベントが発生するなら、イベントを発生させないように体集め優先にして、それが終わってからレアー様の怒りを鎮める作業に取りかかればいいですし」

 

「なるほど、賢いなナイル!」

 

 眼をキラキラさせながらポンと手を打つサラーマさん。 こいつはホープさんの話を聞いていなかったらしい。

 

 『おっぱいウィザードはやめとけw』

 『サラーマさんは背中の鱗がすべすべな女が好きなはずだが?』

 『あれ? タッパとケツがでかい女じゃなかったっけ?』

 

「レアー様の怒りを鎮めるっていうのはハートちゃんの方が詳しいでしょう。 あの子ならいつどこでどの現地人《NPC》が困っているのかを把握してるでしょうし。 それを助けながらレアー様の名を謳って、信仰心を復活させればいいんすよ」

 

「レアー様はお年が重なってすでに老いてるからな。 信仰心が薄れちまったのもしょうがないことだとは思うが……」

 

 どうやら信仰心が薄れたのはレアー様がジジイだというのが原因らしい。 まあそこに関してはハートちゃんのほうが詳しい。

 

 街を歩いているだけでそこら辺をほっつき歩いてるNPCを指さしながらうんちくを語れレベルのオタクだ。 レアー様の信仰心を復活させる策くらい浮かんでいるだろう。

 

「じゃああのまな板娘がレアー様の信仰心を復活させてる間に、始めにシリス様の体集めに向かってた連中がレベリングするって流れか!」

 

「まあ、さっきもホープさんがそういってたはずっすけど、そういうことっす。 つーかサラーマさん、あんたもしかしなくても巨乳好き?」

 

 さっきからサラーマさんはホープさんをおっぱいウィザードだとか、ハートちゃんをまな板娘だとかおっぱいの大きさに応じてあだ名を付けている。

 

「男だったらみんな好きだろ?」

 

「は? 俺は別に丁度いいサイズ感の子が好きっすけど?」

 

 『よしナイルたん、そのまま君のタイプの子を話しちゃおう!』

 『あっれー? おっかしーぞ?』

 『さっきぱふられてた時嬉しそうな顔してた気がしたけどー?』

 

「うるさいよ視聴者たち。 俺の好みはいつも一つ。 ウエストの細さに比例した主張しすぎない大きさのお椀型。 ぽっちゃりよりもスレンダーが正義なんですから!」

 

「おまえって結構マニアックなんだな」

 

 呆れたような顔でそんな事を言い始めるサラーマさん。

 

「とまあそろそろいい時間ですし、一旦戻ってみますか?」

 

「それもそうだな、ちなみにナイル。 お前的にはどうチーム分けするのがいいと思うんだ?」

 

「ふむふむ、そうですね〜」

 

 俺は思考を回転させる。 このレベリングが終わったら復活前のセフメトを無理やり起こし、イベントで強化される前のセフメトを倒す作戦へと移行する。

 

 もしかしたら無理やり起こしてしまえばイベントが強制的に発生する恐れがあるため、このレベリングの間に立ち回りや戦闘面での知識は多めに学んだほうがいいだろう。

 

 となると、俺の願いも少々入っているが、チーム分けはこんな風になる。

 

「俺はハートちゃんと組みたいかな? ハートちゃんと行動を共にしながら戦闘面での知識を学びたいですし」

 

「ほうほう、他には?」

 

「後は職業的な問題もありますが、ホープさんと行動するならレンジャーのサナさんに加えて、タンクも一人欲しいですが、そうなるとサラーマさんかラーザさんになりますよね?」

 

「ラーザとメメジェットはセットの方がお得だろ?」

 

 『セット割みたいな感覚でメメジェット氏はおまけ扱いされている件』

 『ラーザさんならメメジェット氏もついてきてお得だよw』

 『なんか、いかがわしい店の宣伝に聞こえてくるのは俺だけか?』

 

 コメント欄のせいでどうでもいい想像をしてしまったため、あわてて頭を振って考えをまとめる。

 

「おそらくホープさんのチームは自己複製顕現のお陰で数が少なくてもまともに戦えるでしょう。 となるとそっちにサラーマさんとサナさんが行った方が効率いいのでは?」

 

「なるほどな、お前はそれらしい理由をつけてハーレム狙いだったか。 サナはタイプじゃなかったか?」

 

「んなぁにをアホなこと言ってるんですか! 別に俺はハーレムなんて狙ってませんけど?」

 

「でもまな板娘とは同じチームになりたいんだろ? お前は巨乳派よりスレンダー派って言ってたもんな、そのメンバーなら納得だぜ」

 

「納得すんじゃねえ! この脳内変態のワニ野郎!」

 

「脳内変態ってなんだよ! それに、俺はオスだからワニ野郎は悪口になってねえぞ!」

 

 『なんかこの二人のやり取りって見てて飽きないな』

 『むしろベストカップリングなのでは?』

 『ナイル氏は受け。 これは絶対だ』

 

 ガミガミと喧嘩しながら街を散策する俺達。 周囲の視線なんて考えずにムキになって口論を繰り広げる。

 

「ここまで一緒に旅してきた仲だってのに、破廉恥な理由で俺を違うチームにしようだなんて、お前は薄情なやつだ!」

 

「だぁから破廉恥な理由じゃないでしょうが! これはあくまで効率的かつ実用的なチーム分けであり、そこに下心なんて一切ないんですよ!」

 

「嘘つくんじゃねえ! お前さっき、メメジェットが布めくった時ガン見してたじゃねえか!」

 

 それを言われてしまうとぐうの音も出ない。 ハートちゃんに潰された両目が疼く。

 

「まあ確かに、俺はスレンダーな体系を愛す紳士ですからね。 メメジェットさんの体型が俺の好みかそうじゃないかで言うと、ベスト・オブスレンダー賞を受賞させるレベルで好みかもしれません」

 

「あ、ナイル? 一旦落ち着け。 それ以上はやめたほうがいい」

 

「キュッとしまったウエストにお椀型かつ程よく膨らんだ男のドリーム。 あの曲線美は芸術そのものかもしれませんが、更にそれを引き立てる褐色肌というチート! あれは反則も反則、レッドカード級のスタイルと言っても差し支えないでしょう」

 

 サラーマさんがあたふたしながら俺を落ち着かせようとしているが、一度火がついたら止まらないのがフェチシズムというものだ。

 

「だがしかし! だからこそ俺は残念で仕方が無いんだ! すべてを台無しにしてしまうあのシーツ! 俺はあいつが憎い! シーツさえなければあの眼の抱擁を拝むことができるというのに!」

 

「あの、お二方。 盛り上がっているところ悪いのですが、話し合いが終わったので戻っていただけると助かります」

 

 声がした方向に視線を送り、思わず石化する。

 

「あ、違うんです今のはけっして悪気が合ったわけではなく……」

 

 おばけのようにシーツを被ったあの人が、二つ空いた穴の中からドン引きした視線を向けてきていた。

 

「……溺死」

 

「大変申し訳ございませんでした!」

 

 こうしてチーム分けはつつがなく終了し、俺はレベリングチームに配属されたのだった。

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