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【休載中】天罰のメソッド〜処刑天使。ひきこもりの少年に恋をする〜  作者: 結乃拓也
第3部 【 群青の軌跡編 】
145/234

第136話 『 電車に揺られながら 』

読者様のおかげで、天罰のメソッド総合PV8000を超えることができました! 本当に感謝です! 

それでは今話もお楽しみください――

【 side颯太 】


 ―― 5 ――

 

 朋絵と陸人と帰路を別れたあと、颯太とアリシアは電車に揺られていた。


「ふあぁ」

「大きな欠伸はみっともないですよ」

「誰も見てないから許して」

「私が見てます」


 ジト目を向けるアリシアに苦笑しながら、颯太は握りあう手をほんの少しだけ強く握り直した。アリシアもまた、温もりをより感じようと絡めてきた。


「こうやって手を繋ぐのも、いつの間にか当たり前になったなぁ」

「そうですね。トモエさんとリクトさんに呆れられてしまうくらいには」

「あはは」


 自然と手を握りあっていて、別れ際に「末永くお幸せに」と言われてようやく気付いた。けれど、当たり前になってしまったものは仕方がいないと、颯太はいっそ開き直ってしまった。


「アリシアの手。握ってて気持ちいだよな」

「えぇ。細くありませんか?」

「この細さがいいんだよ。小さくて、でも、ちゃんと俺の手を握り締めてくれる」


 つい、嬉しさが込み上がってしまう。


「私も、ソウタさんの手好きですよ」

「そう? ごつごつし過ぎてない?」


 今度は颯太が首を傾げる番だった。


「そんなことありません。この手が、いつでも私を守ってくれる。優しくて、大きな手。最近はマメができて凸凹ですけど、でも、それはソウタさんが頑張ってる証拠なので、自然と嬉しさが込み上がっちゃうんです」

「そこまで褒められると、いつも頑張る甲斐があるな」


 こうやってアリシアは颯太を励ましてくれるから、だから努力を続けられる。自分を理解してくれる、そう分かる。

 無性の悦びに浸りながら、颯太はその想いをアリシアに吐露した。


「俺がいつも頑張れてるのはアリシアのおかげだから、何かお返ししないとね。何がいい?」


 それじゃあ、とアリシアは答えた。


「家に帰ったら、まずハグしてください」

「喜んで」


 それは颯太も望むところである。


「その次は、一緒にテレビを見てください」

「今日はアリシアの見たい番組みていいよ」

「じゃあ、21時に始まる動物園の密着した番組を見ましょう」

「いいよ。あ、でも勉強しながらもでいい」

「むぅ……まぁ、そこはソウタさんは学生ということで譲歩しましょう。でも、炬燵でくっついて見たいです」

「それは勉強が捗らなそうだ」

「どきどきしちゃいますか?」

「俺はいつだってアリシアにどきどきしてる」

「ふふ。私もですよ」


 甘い息を吐くアリシアに、また心臓の鼓動が高鳴った。

 アリシアは、本当にこの世界で、いや、宇宙で一番可愛いと思えた。


「こんな可愛いカノジョを独り占めできて、俺は本当に幸せ者だよ」

「私はソウタさんのものですからね。私も、ソウタさんのものですけど」


 彼女がくれるのは、沢山の愛情と親愛だ。それは、他の人たちにではなく、颯太にだけくれる。以前にも、似たような事を言ったけれど、でも温かさが全然違った。

 この言葉は、アリシアは幸せを感じているからこそ、いえる言葉なのだろう。

 家に着いたら、今夜はアリシアをめいっぱい甘やかせよう。


「よし、家に帰ったら、まずはハグしてそれから夕飯だ。アリシア、何食べたい?」

「そうですね。あ、今日はエビを買ってきたので、エビフライが食べたいです」

「エビフライね。時間かかるけどいい?」

「揚げたて食べられるならいくらでも待ちますよ!」

「なんて根性だ。よし分かった。今夜はエビフライにしようか」

「やった! もうお腹空いてきましたっ」

「あはは。いくらなんでも早すぎだって」


 愛しい彼女のご所望なので、今夜の晩御飯は張り切るしかないだろう。

 ふん、と鼻息を強く吐きながら、颯太は今から気合を入れたのだった。


「なんでしょうか?」

「明日さ――」


 ―― Fin ――



第2部の時は土日に6本くらい上げてたので、この2日で2本はなんだか違和感がありますなww 第3部はなだらかに進めていきたいので、更新頻度はこれくらいです。早く続きがみたい! という読者がいたら感想でそう言っておくれぇぇ

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