第136話 『 電車に揺られながら 』
読者様のおかげで、天罰のメソッド総合PV8000を超えることができました! 本当に感謝です!
それでは今話もお楽しみください――
【 side颯太 】
―― 5 ――
朋絵と陸人と帰路を別れたあと、颯太とアリシアは電車に揺られていた。
「ふあぁ」
「大きな欠伸はみっともないですよ」
「誰も見てないから許して」
「私が見てます」
ジト目を向けるアリシアに苦笑しながら、颯太は握りあう手をほんの少しだけ強く握り直した。アリシアもまた、温もりをより感じようと絡めてきた。
「こうやって手を繋ぐのも、いつの間にか当たり前になったなぁ」
「そうですね。トモエさんとリクトさんに呆れられてしまうくらいには」
「あはは」
自然と手を握りあっていて、別れ際に「末永くお幸せに」と言われてようやく気付いた。けれど、当たり前になってしまったものは仕方がいないと、颯太はいっそ開き直ってしまった。
「アリシアの手。握ってて気持ちいだよな」
「えぇ。細くありませんか?」
「この細さがいいんだよ。小さくて、でも、ちゃんと俺の手を握り締めてくれる」
つい、嬉しさが込み上がってしまう。
「私も、ソウタさんの手好きですよ」
「そう? ごつごつし過ぎてない?」
今度は颯太が首を傾げる番だった。
「そんなことありません。この手が、いつでも私を守ってくれる。優しくて、大きな手。最近はマメができて凸凹ですけど、でも、それはソウタさんが頑張ってる証拠なので、自然と嬉しさが込み上がっちゃうんです」
「そこまで褒められると、いつも頑張る甲斐があるな」
こうやってアリシアは颯太を励ましてくれるから、だから努力を続けられる。自分を理解してくれる、そう分かる。
無性の悦びに浸りながら、颯太はその想いをアリシアに吐露した。
「俺がいつも頑張れてるのはアリシアのおかげだから、何かお返ししないとね。何がいい?」
それじゃあ、とアリシアは答えた。
「家に帰ったら、まずハグしてください」
「喜んで」
それは颯太も望むところである。
「その次は、一緒にテレビを見てください」
「今日はアリシアの見たい番組みていいよ」
「じゃあ、21時に始まる動物園の密着した番組を見ましょう」
「いいよ。あ、でも勉強しながらもでいい」
「むぅ……まぁ、そこはソウタさんは学生ということで譲歩しましょう。でも、炬燵でくっついて見たいです」
「それは勉強が捗らなそうだ」
「どきどきしちゃいますか?」
「俺はいつだってアリシアにどきどきしてる」
「ふふ。私もですよ」
甘い息を吐くアリシアに、また心臓の鼓動が高鳴った。
アリシアは、本当にこの世界で、いや、宇宙で一番可愛いと思えた。
「こんな可愛いカノジョを独り占めできて、俺は本当に幸せ者だよ」
「私はソウタさんのものですからね。私も、ソウタさんのものですけど」
彼女がくれるのは、沢山の愛情と親愛だ。それは、他の人たちにではなく、颯太にだけくれる。以前にも、似たような事を言ったけれど、でも温かさが全然違った。
この言葉は、アリシアは幸せを感じているからこそ、いえる言葉なのだろう。
家に着いたら、今夜はアリシアをめいっぱい甘やかせよう。
「よし、家に帰ったら、まずはハグしてそれから夕飯だ。アリシア、何食べたい?」
「そうですね。あ、今日はエビを買ってきたので、エビフライが食べたいです」
「エビフライね。時間かかるけどいい?」
「揚げたて食べられるならいくらでも待ちますよ!」
「なんて根性だ。よし分かった。今夜はエビフライにしようか」
「やった! もうお腹空いてきましたっ」
「あはは。いくらなんでも早すぎだって」
愛しい彼女のご所望なので、今夜の晩御飯は張り切るしかないだろう。
ふん、と鼻息を強く吐きながら、颯太は今から気合を入れたのだった。
「なんでしょうか?」
「明日さ――」
―― Fin ――
第2部の時は土日に6本くらい上げてたので、この2日で2本はなんだか違和感がありますなww 第3部はなだらかに進めていきたいので、更新頻度はこれくらいです。早く続きがみたい! という読者がいたら感想でそう言っておくれぇぇ




