第124話 『 溺れて、彷徨って――これが恋 』
まだ、まだァァ
【 side『――――』 】
―― 37 ――
――天使は、ずっと独りぼっちだった。
あの子がいるまで、その天使は誰からも観られることはなかった。
自分に本気で向き合ってくれる者なんて、誰一人として、いなかった。
けれど彼は、違った。
「なんの、本当に。なんなのよ、感情は」
以前とは違う胸の高鳴りに、天使は戸惑う。
彼に近いづいたのは、目障りな天使を消すため。
自分がなんの為に天界から地球へ渡ったのか、それを己の胸に問えばあれを消す為だとすぐに答えは出た。
その為に策を練り、罠を仕掛け、彼に近づいた。
彼と交わした会話も、彼とした約束も、全て偽りだ。
なのにどうして、彼の言葉を思い出す度に、胸の奥はこんなにも五月蠅くなってしまうのだろうか。
「私は、どんな手段を使っても、あれを手に入れたい」
本気で自分と向き合ってくれる者を、『―――』は初めて見つけた。
もしかしたら、自分が地球へ来たのは、彼と出会う為だったのかもしれない。そんな勘違いを覚えてしまうほど、『――――』は盲目になり始めていた。
あぁ。好きって、こういう事を言うのかしらね。
人間のいう〝恋〟という感情に、天使はやっと理解ができた気がした。
恋は、胸を高鳴らせるものだった。退屈だった全てがその人を想えば世界が彩られていくような感覚。これまで欺瞞だった笑みが本物になっていく実感。
その人を、本気で奪いたいという、これまでよりももっと強欲になった欲望。
これはもう、止まらない。
溢れ出してしまって、自分ではどうすることもできなかった。
「今までずっと、私の世界はつまらなかった」
『――――』はずっと、退屈な日々を送っていた。
天界での日々は毎日毎日同じことの繰り返しで、意味も分からず神に向かって詠唱をして勉強を繰り返していた。
ただそこに、野心はあった。
もっと上の階級に上がれば、この退屈な世界を変えられる気がした。神様になんて縛られず、楽しいことをいつまでも続けられるんじゃないか、と。
それ故に、『――――』は足掻き、もがき続けた。
けれどそこには、いつも目敏い天使がいた。
いつからか、楽しいという感情は嵌めることへの悦楽へとすり替わってしまった。
そこに罪の意識はなかった。だから、今もひたすらに堕とすことに躊躇いがないのだろう。
「今度こそ、よ」
今度こそあの天使から、全てを奪う。
奪う喜びが、最上の悦びなのだと、『――――』は信じてるから。
私は天使。天使『――――』だ。
「ソウタくん。少しいいかしら」
天使の最後の妄執が、牙を剥く――。
―― Fin ――
あ、ヤベ。原稿止まった。
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