第119話 『 独りぼっちな私 』
今日は16時頃にもう一話更新できるかもしれません。ですので読者様は16時20分ごろになったら確認していただけると、ほやほやな最新話が見れるかも!
【 sideアリシア 】
―― 32 ――
――私は、最低だ。
暗い部屋で。アリシアは顔をうずくめる。後悔の念にずっと支配されて、もう、何もしたくなかった。
ソウタに、酷いことを言ってしまった。彼はずっと自分を信じてくれたのに、それなのに、嘘つきと罵ってしまった。
悪いのは、自分なのに。
いつの間にかソウタに依存して、いつからか本音を言えなくなったしまった。ソウタには、ただ前を向いて欲しかっただけなのに。
――あの人に、奪われてしまう。
もう。それでも良かった。依存する前は、そうやってソウタの幸せを望んでいたはずだった。たとえ、自分がこの世界から消えようとも、彼から好意を抱かれなくなろうとも、それで彼が幸せを得られるのなら、自分は彼の前から消えることをずっと前に胸に誓っていたはずだった。
――ソウタさんは、幸せになっていい人だ。
彼は、ずっと苦しみもがき続けていた。両親に認められる為にひたすらにあがき続けた彼は、もうそんな呪いに縛られず、自分の足で未来へと歩いて行ける。その邪魔を、したくはなかった。
――今日、文化祭だっけ。
楽しみにしてて、とそう言われた。でも、行けば、彼はきっと困ってしまう。自分が行けば、彼はまた、自分を心配して回りを疎かにしてしまう。
ソウタがこれまで頑張ったのは、クラスの皆の為だ。決して、自分の為ではない。
――もう。嫌だ。
考えるのも、彼のことを想うのも、全てが嫌になって、アリシアは思考を放棄しようとまた顔をうずくめる。
――ご飯。まだあるかな。
食力など、とてもない。でも、彼が心配して作ってくれたのだから、口にはしたかった。
「うっ」
吐き気がして。その気すら失せてしまった。
――あぁ。私は、なんて残忍な人間なのだろう。
嫉妬して、縋って、拒絶して――自分はもう、本当に天使ではなくなってしまった。
せめて天使であったならば、彼に最期、お礼を言ってお別れもできただろうか。
人間になったせいだ。そのせいで、彼と別れるのが、心が悲鳴を上げるほど苦しかった。
「うっ……うっ……うぅっ」
感情が決壊して、呻き声が零れる。目尻に熱い何かが溜まって、それを必死になって堪えようとしても、床に落ちていくばかりだった。
暗い部屋。ここはまるで深海かのように、無音で、悲しみだけが木霊する。
「私には、もう……何もない」
孤独というのは、こんなにも寂しいものなのかと実感する。
誰も助けてくれないのは、こんなにも辛いことなのかと思い知る。
――想い人を失うのは、こんなにも胸が張りけるのかと、生きて初めて知った。
アリシアは、独りぼっちだった。
―― Fin ――
特に書くこと思いつかないので、応援よろしく! とだけ言っておこう。
応援よろしく! 労いよろしく!




