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【休載中】天罰のメソッド〜処刑天使。ひきこもりの少年に恋をする〜  作者: 結乃拓也
第二部 【 紫惑の懺悔編 】
126/234

第117話 『 文化祭前日 』

登場人物紹介~


宮地颯太 本作主人公。アリシアと喧嘩してしまう

アリシア 本作メインヒロイン。ソウタと喧嘩してしまう

三崎朋絵 颯太の親友。作者「陸人って、いいやつっだよね……」朋絵「は?」

倉科陸人 颯太の親友。作者「陸人、何がとは言わないけどごめん」陸人「えっ⁉」

神払聖羅かんばらせいら 終章なのに「かみはら」のほうが良くね? と思い始めました。


【 side颯太 】


 ―― 30 ――


 ――文化祭前日。


「アリシア。起きてる?」


 扉をノックしても、返事はない。それでも構わず、颯太は続けた。


「明日の文化祭。10時スタートだから」


 今日はアリシアが気なって何もかもが手に付かなかった。本当は休みたかったけれど、今のアリシアの傍に、果たして自分が居ていいのか分からなかった。ダメな気がしたから、今日はアリシアから離れた。


「みつ姉には、アリシアから連絡入れるって伝えておいた。だから、行きたくなったら、みつ姉に電話して」


 アリシアの笑顔が見たくて頑張ったけど、アリシアから笑顔を奪ったのは誰でもない自分自身だった。そんな事実に、ただ憤りを覚える。


「今日、ご飯食べてない……よね」


 せめてソウタがいない時でも、部屋から一歩でも出てくれたなら良かった。でも、帰ってきた家にはアリシアが何かした痕跡はなかった。


「ご飯。ここに置いておくから、お腹が空いたら食べて」


 トレーにはおにぎりが二つ。卵焼きとたこのウィンナーとゼリーが置かれている。ソウタが居る時間は降りづらいだろうからと、颯太なりの気遣いで冷めても美味しく食べられるものを選んだ。


「洗濯物とお風呂掃除は、やっておいたから心配しないで。それと、いつも頑張ってくれてありがとう」


 いつも、感謝してた。一生懸命やってくれることを、颯太は万感の想いを込めて伝えたつもりだった。でも、アリシアに寂しい思いをさせているとに気付いていたのに、学校や部活を理由にちゃんと気付いてあげられなかった。

 本当に、今更で、後悔すらももはや無意味だった。


「俺、アリシアの寂しい気持ちに気付いてたのに、忙しさを理由に向き合えてなかった。本当は、もっとアリシアを優先するべきだったのに」


 やりたいことを応援してくれる彼女に甘えた。


「アリシアがいつも支えてくれてたのに、俺、ちゃんとありがとうって伝えられてなかった」


 いつの間にか、アリシアが支えてくれることを当たり前のように感じていた。


「俺が本当は、アリシアのやりたいことを支えるべきだったのに」


 本来の目的からずれていたのは、自分の方だった。


「キミに嘘つき呼ばわりされても、仕方ないと思う」


 アリシアを大切にすると誓ったのに、守れなかった。


「俺の言葉が、いまアリシアに届いてるのかは分からないけど、でも、聞いてるなら、返事しなくていいから耳を傾けてほしい」


 せめて、変わらぬ想いを伝えたくて。


「ウミワタリの日。俺、言ったよね。アリシアは、覚えててくれてるかな」


 もし、アリシアが忘れてしまったら、もう一度言えばいい。いや、何度でも伝えればいい。


「俺は、どんなキミでも好きだ。天使でも、人間でも。俺は、アリシアが好きだから。これだけは変わらないから。絶対に」


 今のアリシアは、きっとこの言葉を信じてはくれない。それでも、もう一度信じてくれるまで何度も伝えるし、何度でも言う覚悟は決めてある。


「それだけ伝えたかった。じゃあ、俺はリビングに戻るから」


 やっぱり、返事はなかった。


「それと、昨日は怒鳴ってごめん」


 最後にそれだけ伝えて、颯太は立ちあがった。一瞬、扉の奥で床が軋む音がしたけれど、すぐに止んでしまった。

 明日は、アリシアが楽しみしていた文化祭だ。

 明日は、アリシアを楽しませる為に頑張った文化祭だ。

 でも、アリシアが文化祭に来てくれる予感はしなかった――。


              ―― Fin ――


いつも応援ありがとうございます! ここからエンディングまでノンストップ!! 


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