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転生したらうちの柴犬が最強でした~おまけで転生した犬が俺より強いってどういうこと!?~  作者: 深水映
第3章 獣人の奴隷少女

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22.はじめての冒険者協会


「おはよう、シバタ。今日は冒険者協会に行くぞ!」


 ニコニコとベッドの上の俺を起こすトゥリン。


「あれ? 俺、いつの間にベッドで」


「モモが運んだんだ。床の上で寝てて可哀想だったから」


「モモが?」


 いくら異世界に来てから痩せたとはいえ、大人の男を抱きかかえて運ぶなんて、そんなこと出来るものなのか。


「獣人はヒトよりも腕力が強いんだ」


 トゥリンが教えてくれる。


「そうなのか」


「ご主人、おはようございます!」


 麻のシャツと短パンを着たモモがやってくる。


「モモ、トゥリンから服を借りたのか」


「はいです! ちょっと胸のところとか、お尻のところがきついですが大丈夫です!」


 クルリと回るモモ。トゥリンは渋い顔をした。


 昨日洗ったばかりのフサフサ尻尾が揺れる、石鹸の匂いがする。



 そして俺たちは、朝ごはんを食べると早速冒険者協会とやらに向かった。



「おお、ここが冒険者協会か」


 木造の三階建ての建物を見上げ、目を丸くする。


 昨日見た奴隷ショップも中々デカい屋敷だったが、冒険者協会はそれ以上に大きい。普通の民家五軒分くらいの敷地はありそうだ。


「ほへー、何だか緊張するです!」


 ブルブルと震えるモモ。

 トゥリンもあんぐりと口を開けて大きな建物に魅入っている。


「トゥリンはここに来た事があるんじゃないのか?」


「来たことはあるけど、200年前だし、その頃はもっとボロい小屋みたいな建物だったぞ。人間社会の発展はすごいなあ」


「そうなのか」


 さすがエルフ、時間の感覚が違う。

 とりあえず三人で「新規冒険者登録」というブースに並ぶ。


 トゥリンは自分の冒険者カードを持っていたのだが、200年前に作って以来更新してなかったので、俺たちと一緒に新しく作り直すこととなった。


 申請書類に必要事項を記載する。


「住所……」


「それは確か適当でいいはずだ」


 とりあえずトゥリンの実家の住所を書いた。


「生年月日……今って何年だ?」


「聖暦877年だ」


 俺が悩んでいると、トゥリンが助言してくれる。


「職業……」


 勇者という欄は無い。

 俺は悩んだ末、「魔物使い」の欄に丸をした。サブローさんは魔物じゃないが、他に当てはまりそうなのがないので仕方がない。


「次の方、どうぞー」


 受付ブースに呼ばれる。

 俺はサブローさんを抱き抱えてブースに腰掛けた。


「あらまぁ、可愛いキツネね」


 受付のお姉さんが言うと、サブローさんはヘッヘッヘッ、と舌を出して笑った。

 やはり普通の人にはキツネに見えるらしい。


「適性検査のため、少し血を採りますね」


 お姉さんは俺の親指に小さな針を指すと、羊皮紙の上に血を一滴垂らした。羊皮紙が白く光り出す。


 ふと隣を見ると、トゥリンも同様の検査を行っている。


「まああ!! 素晴らしい魔力値! それに光・水・風の三種複合属性だなんて。あなたならすぐにA級に上がれますよ!」


 トゥリンの能力値を見て声を上げる受付のお姉さん。


 へー、トゥリンて凄いんだな。


「まー、一応エルフだし?」


 照れたように笑うトゥリンの周りに、ドヤドヤと人だかりができる。

 受付のお姉さんは叫んだ。


「なるほど! 魔力は年とともに体に蓄積されるので、子に魔力を分けないまま高齢になってしまったエルフには強大な力が宿ると聞いたことがあります!」


「だ、誰が高齢処女だ!」


 トゥリンは顔を真っ赤にして叫ぶ。


「し、失礼しました!」


「全く、子供はこれからシバタと作るんだよ!!」


 俺はその言葉を聞かなかった事にし、反対側を向いた。


 するとモモの周りにも人だかりができている。


「凄いです! 新記録!!」


 見ると、モモが握力計を握っている。しかもよく見ると針は振り切れ、バキバキと変な音まで立てている。


 どうやら獣人は人間より力が強いというのは本当らしい。


 俺も一応目の前のお姉さんに聞いてみる。


「俺はどうでした?」


 受付のお姉さんは真顔で答える。


「至って普通ですね」


「そうですか」


 もしかして……俺、一番弱い??


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